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メルケルが英語圏に移住したら「エンジェル・メーカー」と呼ばれるのだろうか

例えば「アプリ経由で単発業務を請け負って金銭授受する」という職業観、それらが形成して動き回る経済はギグ・エコノミーと呼ばれるそうです。ぼくは全く知らなかった。

こと「経済」という思念体は何事にも名前を付けたがる。区別して数値を与えると即座に切り捨てるか持て囃すかの価値判断ができるようになるからですね。なんてこった。

雇用契約について

最近きなくさくてあまり書いておりませんが、ぼくが興味ある飲食デリバリー系の文化も完全にギグ・エコノミーらしい。

敬遠していた理由は外国人労働者が不正規に利用できる温床になっていたり、飲食デリバリー運営企業は「食いたい顧客」と「運搬して金を得たい配達者」をマッチングするだけという立場だから配達者がどこでどんな惨たらしい事故に遭って無残な死に方をしようが知ったことではない的な立場の上に胡座をかいていることが判明したため。

雇用関係だと配達者が何らかの問題を起こしたらUber社の責任となるし、配達者が一生を左右するような怪我をしてしまったらその賠償みたいなこともどうのこうのになる。

現行のように、「なんだか知らないけどUberの配達を代行したい奇特な人がいるみたい。しょうがねーなー!そこまで言うならやらせてやんなくもねーわ。そこまでして配送代行したいんなら別に雇用契約結ばなくても良いよね?そのかわりホレ配送希望者と巡り会える公式アプリやっからこれ使いな?1回500円でよろ」という業務形態であればUberは楽です。

賃金が安すぎるみたいな文句があるならUberは無数にいる別の代行者を探すだけ。交渉権などないんですね。文句を言った代行者はブロック(自社サービスに関われなくする)でもするんではないでしょうか。

ギグ・エコノミーから被雇用者に

Uberはイーツだけでなく源流である運転代行サービスも運営しています。こちらの運転代行者も上記のような扱いでしたがイギリスでの裁判で待遇が変わりました。

運転代行者は、「労働者」と「個人事業主」の中間に位置し、雇用契約がなくても労働者的権利が得られるようになった。ただこれはイギリス特有の制度らしい。

結果、2021/03にイギリスのUber運転代行者70000人はUberの「ワーカー」となった。彼らをギグ・エコノミー内に属すと見るのかどうかは現時点ではわかりません。

これにより70000人には最低賃金が保証されることになった。条件に合えば年金制度も。さらには有給休暇相当の手当が支給されるように。

ただこれはあくまで運転代行のほうのUber提供サービスであり、ウーバーイーツに同じような光が差し込むかは全く未定です。

Uberは自分の車を使うため天候なんかにほとんど左右されませんが、ウーバーイーツには自動車はほとんど使われない。燃料代もあるし地理的不利があるからですね。客が正確に入力したかどうかもわからない、見たこともない住所を頼りにしながらちっせえ道に入れないし、それでもその道に入ろうとどこかに車を停めたら駐禁切られて終わりです。売上的に。

海外や地方なら車で済む可能性もありそうですね。日用品を買い出しに行く代わりに、あるいは本業の生産物なり何なりを搬入するついでに配送する……ここまで考えて、地方のUberアプリが現在地の5km程度圏内の配送希望者しか表示しないとかだったら終わってんなと思いました。地方と都心でどのような融通差があるのかどうかはわかりません。

だから基本的にイーツは自転車か最高でも原付で代行する。雨の日は生命リスクが伴います。だけどUberからは何の保証もされない。

後記

これらは過去のnoteです。基本的にUber社のサービスについて書いていましたが、今はドアダッシュとか(日本に来るのが)振興の企業なんかがどのようにUberと同じような道をたどるのかについて注視しています。

で、ぼくはいわゆる配達デリバリー(頭痛が痛い)を利用するつもりも配送側になるつもりも物理的に考えられないため、完全に第三者のつもりで箱庭的文明を見るような形で拝見しています。

お読みくださりありがとうございました。


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