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一生分の歌を一生のうちにちゃんと歌う

若いころはビールをよく飲んだ。
何かあれば、まずビールだった。

20代の頃仕事帰りの居酒屋で
女子ふたりで20杯の生中を飲んだこともあった。
あんな大量の水分をひとり10杯も
よく摂取できたもんだとびっくりしたものだ。

生中を飲み始めると、
3杯目くらいにまず最初のトイレに行きたくなる。
一度トイレに行ったが最後
そこからトイレが近くなり、
お互いに話を中断しては
頻繁にトイレに行くことになるのだ。
今となってはなつかしい。

そんなわたしも、
40代のある日、
何の前触れもなく急にビールがいらなくなった。
もう身体が飲みたくないと言った。

それ以来
わたしはビールを飲まなくなった。
最初の乾杯の一杯や
美味しいビールに出会った時に
少量飲むことはあるが
本当に少量だけで
それ以上はいらないのだ。

だからといって
アルコールがダメになったわけではない。
日本酒やワインや焼酎は美味しく飲める。

わたしは
「一生分のビールを飲み終わったのだ」と悟った。

人生とは不思議なもので
あんなに好きだったビールを
ほしいと思わなくなることもあるのだ。
その人の一生分の量は
決まっているのだと思った。

きょうの昼間
ぽっかりと時間ができたので
久しぶりにウクレレを弾き語って
あそんでいた。

島の暮らしは
暮らし自体が忙しくて
こうしてあそぶことはとても珍しい。

昔作った曲から最近の曲まで
思いつく片っ端から歌っていった。
覚えているものも
覚えていないものもあった。

ふと
「一生分の歌をわたしはまだ歌ってない」と思った。
わたしは、まだもっと歌いたい。

わたしにとってのビールのように
わたしが生きているうちに
「一生分の歌を歌った」と思えたら
なんて幸せなことだろう。

あの頃のビールくらい歌を歌っていたら
そうなる時が来るような気がする。

もっとうたおう。
一生分の歌を一生のうちにちゃんとうたおう。
そう思ったらわくわくしてきた。

それがとても大切なことのような気がして
久しぶりにふやよみnote を書いてみたのだよ。

久しぶりのライブが決まりました。
秩父からみっち。さんが来島します。
薫ちゃんの描いたチラシ↓
果たして何が起こるのか!
楽しみな夜です。

ふやよみ あおきさとみ






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