自責の難しさ
「責められなくてよかった」と露骨に安堵してみせる人を「見くびるな」と打つ代わりに、その手を自分の胸に置いて
「責めないよ。私は、自分の中だけでモヤモヤを片付けられる。誰かにぶつけたりはしない」と弁明していた。
そうなのだろう。
誰かを責めたい気持ち、怒りたい気持ち。
「なんで私の思い通りにならないの?」
満たされないコントロール欲求。
相手を前にしても、それらすべてを「自分一人で引き受けられる、自分だけで処理しなければ」とかたくなに思い込んでいる。
そんな自分を「できた女だ、できた人間だ」とどこかで誇りながら。
傲慢なことだと思う。
自責は、自己完結と紙一重だ。
自罰感情は、自己愛に近いところにある。
他者と紐づけずに、自分の中だけで結論を出す。
当人は、自立した大人のつもり、思いやりのつもりでそうしている。
でもその行為は、愛とはもっとも遠いものかもしれない。
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