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社内でキャリアチェンジをして感じた3つの違い〜広告代理事業とSaas事業〜

キャリアのお話です。私は(多分)珍しく、転職をせずに「広告代理店webデザイナー▶︎インハウスデザイナー」へとキャリアチェンジしたので、その経緯と実感を含めてまとめてみました。

広告代理店時代

現在在籍中のUnipos株式会社は、2021年まではFringe81株式会社という広告代理店でした。私が2018年に入社した時ももちろんバリバリの広告代理店で、当時マザーズに上場直後だったというのもあり、まさに売上右肩上がりの急成長企業でした。(当時は六本木ヒルズにオフィスがあり、面接に行くときにめちゃくちゃ緊張したのを覚えてます)

私は当時web広告を内製化する為に中途で入社したので、最初の肩書きは「クリエイティブプランナー兼デザイナー」でした。主にインターネット上の広告媒体に出稿する為にさまざまなクライアントのバナー広告を制作していました。

クライアントが違えばデザインも違う。
化粧品ブランドでは陽の光が透過するような透明感を求められるため、アクリルパネルに雫を落として自社撮影をしてみたり、ハイキャリア転職系では明朝体で背景をゴリゴリにコントラスト高い夜景にしてみたり、子供向け健康飲料では角丸必須のかわいいフォントとパステルカラーを使ったり…..広告はすぐに擦り切れる(出稿してからCPAが下がるまでが早い)るので、まさに数射ちゃ当たる状態で、1週間で10パターン作るなんてこともザラにありました。

その頃はinstagramの動画広告も最盛期で、縦長動画とCTAボタンの挙動に何時間もかけてみたりなど、忙しいけれど充実して、数字として結果が出ることのシビアさと、嬉しさ(効果測定ができる嬉しさはデザイナーとして共感してもらえるはず)が入り乱れていました。

2020年、コロナ禍で広告業界は激変しました。外出自粛、経済の実質ストップによって企業側も「広告を出向している余裕がない」状態になり、徐々に減っていく広告費。私たちの会社も大きく煽りを受けてしまったのです。

そんな折、2017年から子会社として運営していた「Unipos」のサービス理念が、場所も思想も隔絶されつつある社会に必要になるという想いから、代表である田中が大きく舵を取ったのが2021年でした。

2021年8月6日、Fringe81は10年以上に渡り手掛けてきたネット広告事業から撤退し、「ピアボーナス」を実現するSaaS「Unipos」専業とする公表を行った。併せて、社名も10月1日より「Unipos」となる。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2109/07/news040.html

ネット広告事業からSaas事業へ

上記にもあるように、広告代理店Fringe81株式会社は正式に2021年にSaasを事業とする「Unipos株式会社」になりました。

Uniposは元々Fringe81の子会社でしたから、事業をサイズアップ&広告代理店事業撤退ということで本業がSaasになったということになります。

事業内容が変われば業務内容が変わるのは必然。私も「広告代理店のクライアントデザイナー」から「Saasのインハウスデザイナー」へとキャリアチェンジ。

私はデザイナーとしてのファーストキャリアはエディトリアル(女性ファッション誌)で、その後書籍、DMなどの紙媒体を経てwebへと媒体を移し、クライアントビジネスからSaasインハウスなので、今回で3回目のキャリアチェンジになります。

Saas事業のデザイナーになって感じた3つの違い

事業会社になったことでよく間違えられるのが「アプリデザイナーなの?」という質問です。アプリ自体のデザイナーは主にUI,UXデザイナーなので職種が違い、現在の私はどちらかというとグラフィックメインの担当になっています。
(主な仕事内容についてはウェビナーバナーのつくり方で触れています)

「結局、自社がクライアントになっただけでしょ?」と思われたかもしれませんが、実際に籍を置き制作を重ねていくと、今までとの違いがわかってきたので書いておきます。
※決してクライアントビジネスを卑下しているわけではありません。

1番の違い クライアントの違い

代理店時代ではお客様が「サービス提供者」でした。その先の消費者を見据えてはいるものの、月の広告費を預かっている以上、直接のクライアントは依頼主になります。担当者で好みも違いますし、目標達成のために若干手段が後回しになることもありました。
ですが今ではクライアントは社内、または私たちのサービスを使用していただく顧客になります。目標達成も大事ではありますが、私たちの大事にしている理念やスタンスを考慮した上で全体を俯瞰することが可能ですので、長期的な計画を立てることが可能になりました。

2番目の違い サービスへの深い理解度

クライアントが多く居た代理店時代では、各企業のトンマナが既に出来上がっているものが多く、成果物に対してはその枠を逸脱していないかが重要視されていました。
今は全体のブランドを意識しつつも、制作物として印刷物やグッズもあるため、全体を俯瞰して「これはUniposの出すモノかどうか」という観点を意識して制作できるようになり、それははとても楽しいことです。逆に、サービスの背景を理解しているからこそデザイナーからの提案も気兼ねなくできますし、目的を同じとした仲間と議論ができることは有意義です。

3番目の違い 受け身と積極性

良くも悪くも、クライアントからの依頼がなければお仕事が発生しない代理店と比べて(もちろん取りに行くことも可能ですが)社内であれば普段の雑談から始まった「これやってみようよ」というような気軽で新しい試みを試すことができます。それはwebに限ったことではなく、ノベルティの制作や冊子であったり、プロジェクトを新しく発足したり、知見を持ち寄りチームならではの相乗効果を探ってみたり…
逆を言えば積極的に動かなければ知識も技術も埋もれていくばかりですので、常にアンテナを立てる必要はありますが、好奇心旺盛な私にとってはとても心地よい環境でした。

私の場合仕事は「誰とやるか」で大きく変わる

事業内容が変わったときに、もちろんのこと、去る人も大勢いました。キャリアプランは人それぞれ。自分のやりたいことに合わせて会社を変えることが必要な時もあります。ただ、私の場合は逆に「キャリアチェンジを社内で?!ラッキー」くらいに思っており(失礼かもですが)新しいことにワクワクするタイプでした。

弊社は出戻りを大歓迎している会社ですが、先日、一度退職された方が「やりたいことよりもここで働きたいが勝った」とおっしゃって、戻ってきてくださいました。自慢に聞こえてしまうのは仕方がないのですが、Unipos社員は本当に誰もが優秀で、素直で、努力家です。人事の腕が良いというのもあるのですが、過去何社か経験した私にとっては、軽いカルチャーショックでした。

キャリアチェンジをすることで、当然努力が必要ですし、結果を出すために紆余曲折ありました。基本的にベンチャー気質は変わっていないので、挑戦したい、やってみたいという気持ちは常時歓迎されますし、決められた枠を出てはいけない、ということもありません。

不安もありましたが、結局は一緒に働く同僚の存在は変わりませんので、とてもありがたい環境で仕事をさせてもらっていると感じています。

最近はAIの進歩が目覚ましく、chat-GPTやmidjournyなどの出現でクリエイティブな職業がAIに奪われるのではという話をよく聞きます。
新時代に必要になってくるのは、単純なアウトプットのみならず、サービスの深い理解を踏まえた上で構成立てできる能力、長期的な視点を持った計画を立てられるかどうかだと感じています。

今回の私のように会社都合でキャリアチェンジをする人もいれば、社内では過去に自分から手を上げて「営業→システムエンジニア」にキャリアチェンジした社員も居ました。元々がベンチャー気質のため、挑戦する姿勢自体を評価している会社の組織風土なので、歓迎されるのかもしれません。

キャリアチェンジ、というととても大袈裟で、転職しないとかなわないと思う人もいると思います。今回の例は特殊かもしれませんが、社内転職も、1つの方法なんだということも、今回の記事で知っていただけると嬉しいです。

ちなみに、Uniposはリモートワークも可能で、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方もしています。ワーケーションや2拠点生活、移住して遠方でフルリモートの社員もいます。さまざまな事情を考慮し個人を尊重する会社だからこそ、こんなにも心理的安全性の高い環境なんだなぁと日々感じています。私のようにママ社員もいますが、パパ社員ももっといます。MTGなどでは最近の育児の話で盛り上がったり、悩みを相談しあったりと、肩身が狭い思いをしたことは一度もありません。とても良い環境です。

そんなUnipos株式会社、最近「UNITE」という超かっこいいメディアが立ち上げたので是非見てください。

人的資本開示が4月から義務化されたことにより、人的資本経営についてはだいぶホットワードになってきました。興味のある経営陣、人事の方、組織風土の変革に意欲的な方はご満足いただける内容になっていると思います。

「組織風土改革を知り、学び、活かす」ことができるビジネスメディアUNITEを見る

Saas事業では「Unipos」というサービスを提供しています。
Unipos(ユニポス)- 公式 - 貢献を可視化し、より強い組織へ

キャリアについては、女性社員、ママ社員として経験したことや、妊娠出産についても今後書いていこうと思うので、興味のある方フォローいただけると嬉しいです。

それではまた。


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株式会社Beeworks→Fringe81(広告代理店)に在籍中。女性ファッション誌やDM、webデザインをやっています。小さい頃の口癖は「私強い子だから泣かないもん」