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オオニセレズビアンモドキ〜自認と初めての拒否〜

私が自分をレズビアンかもと自覚したのは、中学1年生の時。
まず、同じクラスになった他の小学校出身の女の子に、非常にときめいた。付き合いたいとかまでは思わなかったが、えぇ...可愛い...ずっと見れる...なに...と胸が高鳴った。もちろん積極的に話しかけ、笑わせて、女友達としてはすぐに仲良くなった。この時点では彼女のことを恋愛対象として好きなんだとは全く考えていなかった。もちろん自分をレズだとも思っていない。ただ毎日可愛い友達と過ごせて楽しかった。目の保養だわ〜と思っていた。しかし、私はやらかしてしまう。

ある日別の友達とプリクラを撮りに行き、好きな子の名前を書こうということになった。「でも好きな子いないよー?」と私。しかし友達は、自分だけ好きな子の名前を書くのがどうしても恥ずかしいらしかった。なら書くのをやめればいいのだが、それもそれで嫌だったらしく、「じゃあ気になる子でもいーから!ね!ね!」とせがんでくる。怖い。そして何故だか突如勢い余った私は、例の可愛い彼女の名前を書き込んでしまった。
「○○ラヴ♡」と。

っちゃ〜...🤦🏻‍♀️である。
今思うと完全に、 っちゃ〜...🤦🏻‍♀️  だ。しかしその時は私とその可愛い彼女がとても仲良くしていることも仲間内では周知の事実であったし、私の普段のキャラも相まってこのプリクラは壮大な冗談として爆笑をかっさらういいネタになると思った。一緒にプリクラを撮った友達も大爆笑してくれた。

次の日学校に着くと、例のキャワイイあの子に呼び止められた。
「昨日プリ撮ってきたんでしょ?」お、きたきた♫「うんそうそう!見せてあげる!」「いや、いい。見た。何で私の名前書いたの?」私は大げさにモジモジジェスチャーをしながら「えー?そりゃーもー○○ちゃんのことが好きだからに決まってるじゃ〜ん」と言って彼女の顔を見る。はいこの辺でも〜やりすぎぃ〜とか言って笑ってくれるはzっておい、泣いとるやないかい。

泣 い と る や な い か い!!!

えっえっごめんなに?こわ!冗談!冗談よごめん!えっ!ごめん?!驚いて平謝りする私。すると彼女は、「よかったぁあ〜!ほんとに好きになられたのかと思ってびっくりしたーもー!そーゆーの無理だからアセっちゃったー」と言って笑った。

その時に気付いてしまった。自分がはっきりと傷付いたことに。ヤバイ、なんかヤバイ、、と思いながら、なんとか「冗談、冗談!」と言った。彼女は心底安心した顔をして、笑っていた。
家に帰ってから、撮ったばかりのプリクラをゴミ箱に捨てて泣いた。ちょっと面白いぐらい胸が痛かった。ほんとに好きなやつじゃん、やべー。これは何かの間違いだ。と思おうとしたけど、涙は止まらない。自分で自分を貶める罠を張って、見事仕留められた気分だった。冗談のつもりで書いた「○○ラヴ♡」を、涙をもって拒否されたこと、冗談と伝えると心底安堵され、「そういうの無理だから」とはっきり伝えられたことによって、図らずも自分が本当に恋愛対象として彼女が好きだったんだということと、仮に気付いていたとしても絶対実らなかったんだということ、そしてこういう気持ちを迂闊に露呈させたら、友達ですら居られなくなりかねないということをいっぺんに理解した。

それからその彼女とはなんとなく一緒に居なくなったが、中1の1学期後半という時期はもともと、スライムのようにクラス全体が緩く繋がっていた状態からいくつかのグループに分割していく時期でもあったので、余計な詮索をされることもなかった。意外にも失恋の悲しみはなかったが、「○○ラヴ♡」の痛さが後から効いてきて、完全なる黒歴史が私の中で1つ誕生したのだった。

「ヴ」て....🤦🏻‍♀️

#レズビアン #LGBT  #セクシャルマイノリティ

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