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発達障害が不登校の原因になる社会を変えたい

個性的な子供達は面白い

娘のかつての同級生ボーイのお母さんが

「息子が中学受験に合格して、

4月から希望の中学に通えるようになりました」

と嬉しい報告をしてくれました。


彼はものすごく頭の良い子で、読書家。

そしてとてもフレンドリーで

私にもいつもニコニコ話しかけてくれていました。

小学校3年生ごろには、分厚い

「ハリーポッターシリーズ」をサクサク読み、

高学年になる頃には私に

「最近読んだ面白い本ってある?」と質問したり、

逆に私が「最近読んだのはどんな本?」と聞くと

「んー、最近ハマってるのは東野圭吾」

などと答えてくれたりしていました。


ただ、彼は好きなこと以外の集中力はゼロ。

みんなと同じ行動するのも苦手なタイプでした。

「きちんと診断してもらってないけど、

何らかの発達障害があるかも」と

お母さんもおっしゃっていました。



かくいううちの娘は小学6年生の時に

ADHDの診断を受けています。


娘がADHDの診断をつけられるまで

とにかく衝動的な行動が多く、

感情の起伏が激しい、

物忘れがひどい、などなど、

当てはまるような行動は幼稚園の頃から

見受けられました。


5歳の時に初めてクリニックに連れて行った時は

「活発な5歳の女の子の範疇とも言えますしねぇ。

まだ年齢が低いからちょっと判断できません」

と言われました。

「小学校に入って、授業中に座っていられないなど

何か問題があればまた来てください」とのこと。


小学1年生の時の担任&特別支援学級の先生に

相談したところ

「授業中に何か問題があるとは思いませんし、

そこまで気になさらなくても大丈夫ですよ」とのこと。


それでも、周りを見ずに衝動的に走り出そうとした娘が

目の前にあったホースにつまづいて転んで

骨折したり、

人の発言を遮って話し出したす様子が目についたり、

家族としては気になるところが色々ありました。


非常に評判のいいドクターのいるクリニックを紹介され

そこを訪れたのが4年生の頃。

じっくりと診察や面談を重ね、言われたのは

「確定診断がつけられるほどではありませんが、

ADHDの傾向があるとは言えるでしょう」とのお言葉。

「また気になることがあったら来てください」と

言われてクリニックを後にしました。


「傾向」があっても、確定診断がなされなければ、

どういう対策をすればいいのかといった

医学的見地からのアドバイスももらえないし、

訓練する方法も教えてもらえず、

もちろん薬の処方なんてありえません。


落ち着きがなく、次から次へと移り気で、

衝動的に動いてしまう娘の様子を

「性格だから」と割り切っていいものなのか。。。


その後、諸事情あってそのクリニックの先生は

別の先生に変わりました。

その頃には、娘が学校でいじめられて、

とにかく荒れまくっていたこともあって、

どちらかというとカウンセリングを受けるつもりで

診察の予約を入れました。


新しい先生はこれまでの経緯も分かってくださっていて、

娘との面談を経た後、

「ADHDと診断つけていいかと思います」と断言。

今後の対策や、薬のことなど具体的にお話しくださいました。


あれ?もしかしたらと思った5歳の頃から

6年かかりました。

診断がついた時、

悲しいとか困ったとかいう感情は全くなく、

あぁやっぱり私が感じていたことは間違っていなかったんだ、

これからはADHDの子供として対応していける

というホッとした気持ちがありました。


だってgiftedじゃないか!

心配や不安が薄かったのには理由がありました。

クリニックの先生に、娘の衝動性の話をしていた時のこと。

「でもね、娘さんは思ったらすぐ行動できるでしょ?

困った人がいたらすぐに助けてあげようと

動けるんじゃないですか?」

と言われました。


それはまさしくその通りで、

観光地で写真を撮ろうとしている人を見たら

「シャター押しましょうか」と瞬間的に声をかけたり、

ホームレスの人を見かけたら、自分が持っていた

コンビニのサンドイッチを「あげてくる!」と

向かって行ったり、

荷物をたくさん持っているおばあちゃんを見かけたら

「持ちますね」と声をかけたり、

といった行動が日常的に見られるんです。

娘の大好きなところの1つです。

私が誇りに思っていることの1つです。

彼女のそういう部分を知っている人は

娘のことを大絶賛してくれます。


でも、別の部分から娘を見ている人たちは

「あの子、協調性ないよね」とか

「人の話聞かないよね」とか

「うるさいよね」とか、

ネガティブな印象を持つ場合もあります。


冒頭に書いた読書好きの男の子も、

私は大好きなんですが、

学校ではちょっと「うざい」と言われがちな

存在だったようです。


授業中に自分の意見ばかり言う、

みんなと同じことをやりたがらない、

嫌なことがあったら教室から逃げ出す、

と言うような行動ばかりに注目され、

彼の素敵なところがないがしろにされていると

感じずにはいられませんでした。


娘は彼の気持ちにすごく共感できると言い、

彼に手をこまねいている学校のやり方がおかしいと

憤っていたこともありました。

彼がそのまま地元の中学校に進学せず、

別の学校に進学しようと受験をしたのは、

地元の小学校への居心地の悪さが

最大の理由だったそうです。


今、うちの娘がお世話になっている

インターナショナルスクールの先生は、

娘のADHDについて「gifted」だと言ってくれます。


彼女はどんどん自発的に動いて、

それは素晴らしく楽しいことだよね。

ただ、これまで経験してきたように、

彼女の自発的で活発な部分が

誰かにとっては迷惑だったり、

ペースを乱されたりすることでもある。

だから、自分のスイッチをどう切り替えるのか

しっかりトレーニングをすれば、

とても素晴らしい人生が待っているよ。

ADHDの子供は、一説によると

頭の動くスピードがとても速くて

通常の7倍くらいのペースで常に動いているとも

言われているんだよ。

だから、お母さんが彼女に話をしている時、

この子聞いてないわと思うような態度を取っていても、

実はお母さんの話の内容をちゃんと理解していたり

するでしょ?


というようなお話もしていただきました。


確かに!

正直ムカつくこともあります。

私があれこれ話していても、ずっと絵を描いていたり、

携帯の画面から目を離さなかったりする娘に

「ねー、聞いてる?」と確認したことも多々あります。

でも、その時に

「聞いてるよ!ママは○○って言ってたんでしょ」と

サラッと返されてしまうのです。

うぐぐ。正解。


だから、私も娘の態度にイチイチイラっとするのは

やめようと思えるようになりました。

それは、専門的知識を持っている先生方が

私に知識をくれたからできるようになったことです。

でも、今の日本の公立小学校や中学校で、

そこまでの知識を持って接することができる先生は

どれくらいいるのでしょうか。

まして、周りの同級生に分かってもらうことなど

不可能です。


日本の教育の「みんなで同じことやりますよー」

という姿勢は、発達障害を持つ子供にとって

苦痛でしかないという場合も多いですよね。


強い個性を受け入れられない日本のシステム

実際、不登校児に占める発達障害を持つ子の割合は

3割とも6割とも言われています

(あれこれ調べましたが、様々なデータが

あって、断定しにくいです。

ただどのデータからも言えるのは、

発達障害を持つ子が不登校になりやすい傾向がある

のは間違いありません)。


・特性的に、周りから誤解されやすい

・ルールに縛られるのが苦手

・コミュニケーションが苦手

・先生から叱られる、注意される回数がとても多い

・特定のジャンルにしか興味が持てないため

学習がうまくいかない


などの要因で、学校に行きづらくなってしまう子供が

多いのです。


うちの娘は日米両方の国籍を持っていることもあって

人種的な差別からいじめがスタートしました。

詳しい経緯はこちらをどうぞ。


そこから不登校になっていきましたが、

もしかしたら、彼女のADHDの特性に対して

ネガティブな感情を持った子たちもいたのかもしれないと

思っています。


ここで断じて言いたいのは、

いじめられる側が悪いのではない!ということです。

発達障害のせいでいじめられた、というと

どうしても自分を責めてしまいます。

でも、そうじゃないんです。

個性が受け入れられない学校というシステムに

問題があると私は大きな声で言いたいのです!

そのシステムの中でのやり方が

「当たり前」になっている日本の子供たちが

心配です。



ある発達障害の専門家のブログで読んだのですが、

「不登校になってから、

発達障害と診断された子供が大勢いる。

その子たちの追跡調査をしたところ、

発達障害でない子の多くは

1年後も不登校が続いていたけれど、

発達障害と診断され、

特別支援学級などの支援を受けられるように

なった子供たちに、

不登校は見られなくなった」

というような内容が書かれてありました。


なるほど。

適切な対応が得られれば、居心地よく過ごせるんだ。


うちの娘もまさにそうです。

発達障害に理解ある先生や、

多文化を持つ生徒たちのいる学校に通い始めてから、

本当に毎日学校が「楽しい!」と喜んでいます

(だからこそ、今のコロナウィルスの休校措置は残念!)。


環境が変わっただけで、

別人のように生き生き学校生活を楽しめるようになるなんて。

子供たちにとって、環境がどれだけ大切なのか

痛切に感じました。


居心地のいい場所の選択肢を増やしたい

だから、私はフリースクールがもっと必要だと思っています。

日本における不登校の生徒の数は15万人前後。

フリースクールは500校あるかないかくらいです。

その半数近くは10人以下の小規模のスクール。

そうやって考えると、不登校になってから

フリースクールに通えている子供は

圧倒的に少ないのです。


金銭的な問題、立地的な問題など、

簡単に通えない理由はたくさんあるでしょう。


うちも娘が不登校になっていた頃、

フリースクールを探しました。

見学にも行かせてもらいました。

でも、選択肢の少なさに愕然としてしまったんです。

消去法的に「通うならここ」という選び方はできても

「ここに通いたい」というフリースクールを

選べるほど、たくさんなかったのです。


結局、娘はフリースクールにも通うことなく

自宅で自主学習をしたり、

時には私の職場についてきたりしながら

なんとか過ごしておりました。


個性を押さえつけることなく、

のびのび過ごす中で、成長していける場所、

どの子も安心して、笑顔で居られる場所が必要です。


みんなと同じことをやっていれば問題なし!

みたいな日本の教育にすごく疑問を持っています。

人と違っていれば「なんでできないの?」と

責め合う姿勢から、何とか脱していかなければ

子供達が辛すぎます。

みんながやっているから「正解」とは

限らないのです。


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