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「詳しくはWebで」

「この20年で変らなかったのは、本への思い入れを読者に伝えようとし続けた書店員たちの存在である。彼ら、彼女たちがこれからも書店を支え続けるのである。・・・」 学芸出版社営業部の名物社員・藤原がお送りする、本と書店をめぐる四方山話。

分からないことがあればインターネットで検索すると大抵の事柄は解決する。う~む、そうだったのかと。大変便利なものでスマートフォンを持つことが当たり前になった今、さらに利便性は増している。

腹が減った、のどが渇いたという程度の通常生活においてコンビニが大変便利なのと似ている。何でも手に入る分けではないが、とりあえずは間に合う。満足だって場合によっては手に入れることが出来るのだ。

残念なのは、とりあえずの情報はすぐさま手に入るインターネットだが、核心部分に迫ろうとすると結構手間がかかったり情報にたどり着けなかったりする。コンビニでもそうで、僕がいつも食べている銘柄はないことが多く定番で棚は一杯だ。

自分にとって必要な的確な情報を手に入れるためのツールとして本はまだまだ重要である。散らばった断片的な情報から自分なりに情報を構築していくインターネットの世界ではなく、著者が体系的にまとめてくれている本はまだまだ欠かせない。

「詳しくはWebで」とよく書かれているが、本当に詳しいのだろうか。痒いところに手が届かずメールで問い合わせたりしなくて済むのだろうか。ネットで見るのと変わりないとりあえず的な本と、詳しくないWEB情報が氾濫している現代において、本の役割は益々重要になると思うのは、僕が出版人だから?

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