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燃やしてしまえ!

「この20年で変らなかったのは、本への思い入れを読者に伝えようとし続けた書店員たちの存在である。彼ら、彼女たちがこれからも書店を支え続けるのである。・・・」 学芸出版社営業部の名物社員・藤原がお送りする、本と書店をめぐる四方山話。

書店に行くと「あらぁ~」と目を覆いたくなる場面がある。いわゆる「書タレ」が陳列されているのである。この場合、自社本だと見て見ぬ振りをしたくなるが、絶版になった本で版元としてもどうしてあげようもないのだから、書店の棚管理の甘さを指摘してあげるのが正しい行為だと思っている。

書店の人は薄々感じていたはずである。もう長年棚に陳列してあって誰かが触った形跡もない。もう返品できないだろうなと感じつつも年月を重ねた本。これはもう陳列してはいけないのだ。厳しい言い方だが、スパーマーケットに腐った魚が並んでいるのと同じ状態である。廃棄処分して燃やしてしまい、その煙に向かって己の管理の甘さ反省しつつ、棚を触らなかった報いをじっくりと味わうのが正解だ。どうしても換金したい場合はブックオフに持って行くのがよいだろう。しかしそんな本を10円ででも買ってくれるほどブックオフは甘くないと思うのだが。

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