【不労所得】バブル期のツケが今頃まわってくる
最近よく聞く話であるが、本業とは別に不動産賃貸で生計を立てていた人の現状が厳しいらしい。
わたしは仕事柄、集合住宅に多くたずさわるゆえ、空き部屋の増加による賃料の減少をなげくオーナーの話をよく耳にする。
人口が減る一方の現状から、オーナーはよほどの工夫や努力につとめなければ入居者を確保するのはむずかしい。不動産賃貸業が本業ならまだしも、本業とは別に余力でオーナーになってしまった場合はかなり厳しい状況だと思うのだ。
わたしのいる業界でも、バブル期に本業で儲けた勢いで自宅をビルやアパートに改装し、不動産収入で生計を立て始めた人は多い。
当時はすぐに満室となり、まとまった不労所得が見込めたゆえ、本業の売上げが多少減っても痛くも痒くもない状況だったことから、段々と本業への意識がうすれてしまった。
かといって、不動産賃貸業に本腰を入れていたかといえば満室のうえにあぐらをかき、不労所得の恩恵をうけては悠々自適に生活をしていたという。
この本業、賃貸業ともに中途半端な状況をながく放置してしまっていたことが仇となり、ここ10年あたりからは物件では空室が目立ち始め、本業の方は感覚をうしない、いまさら立て直しに何をすればいいかわからない、といったジリ貧のフェーズへ突入してしまったというのだ。
問題はどちらの収入においても、時代の変化による影響を考えてこなかった、という点にある。どちらの仕事も真剣に取り組んでいた人は二つの収入を維持するか、大きくしたりということもあっただろう。
時代がいつまでも追い風の状況であるわけもなく、柔軟に変化をとらえて対処していかなければ維持することだってむずかしい。
このような話を耳にして恐ろしいと思うのは、うまくいっていた時期に稼ぐ能力や意識を失うことにより、波が引いたあと、自身が腑抜けになって立ち往生してしまうことにある。
気がつけば苦境に直面してなすすべなく呆然と船が沈んでいくの待つという状況は不安だろうし、こわくてたまらないと思うのだ。
たとえ本業一本であろうと同じことで、うまくいっている時期が生涯続くということはあり得ない。
わたしに関しては、現状がうまくいっているとは言い難い状況であるが、現状に満足せず、努力し続けることを肝に銘じて慢心しないよう心掛けようと思った次第である。
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