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わたし噛むから

河村たかし名古屋市長が金メダルを噛んだ。

本稿のタイトルは "か わ む ら た か し" のアナグラムです。どなたかがネットに載せていました。あまりの上手さに感動して、無断でタイトルにさせていただきました。

※「メダルじかにかじるダメ」という見事な回文もありました(作者不詳)。

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まずは経緯を簡単に。8月4日、東京2020オリンピックのソフトボールで金メダルを獲得した名古屋市出身の後藤希友選手が、河村たかし市長を表敬訪問した。事件はそこで起こった。

金メダルを首に掛けてもらった河村市長は「重てゃーですよ」と言いながらマスクを下げ、金メダルを口に運ぶ。推測だが2㎝ぐらいは口に含んだ。「カチッ」という音も確かに聞こえた。その時市長は嬉しそうな表情を浮かべている。その後唾を拭うこともなく、メダルを後藤選手に返した。

名古屋市役所には、8月11日時点で8,300件の抗議が寄せられている。

後藤選手が所属するトヨタ自動車からは、「あるまじき行為で、敬意が感じられない」との抗議声明が出された。

河村市長の発言いろいろ。「迷惑を掛けているのであれば、ごめんなさい。」「謝るしかしょうがないですよ。」「よう考えないかんことだと思っとりますよ。」 8月5日の謝罪会見は薄っぺらな原稿を棒読みするだけ。しかもつっかえてばかりで "カミカミ" だった。ホントに世間を"なめて"いる。

8月12日、新しいメダルへの交換が決まる。費用は河村市長が負担。同日記者会見もまた、"開き直り" "ふてくされ" と報道された。

※【追記】8月23日、河村市長から市職員に向けた謝罪文が公表された。心が全く感じられない内容と、メモのような走り書き。まあ酷い!恥ずかしい! 忘れちゃいけないと思い、ここに記録させていただきます。

河村謝罪文

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以上は事実を列挙しました。本件に関する私の感想を簡潔に申します。  「不潔!」「気持ち悪ーい!」です。

河村さんの言動の要約は‥「やったらかんことをやってまったか。でも謝りたないがね。」 ※標準語では「やってはいけないことをしてしまったようだ。でも謝りたくないなあ」です。

河村さんへの非難や批判は他に任せて、本稿では "老人の非礼"  "老人の舌禍" について書く。この課題をよく考え理解することは、これから本格的な老人になっていく自分自身への戒めになるはずだ。

"理性"とは、人間と動物を区別するものとされる。真偽・善悪を識別する能力が "理性" であり、それをつかさどるのは、大脳皮質の中の前頭葉(ぜんとうよう)だ。40代あたりからこの働きが弱まり、50代になると一気に機能が低下するという。前頭葉の委縮は認知症の原因でもある。

「やりたい」と思ったら衝動的にやってしまう。「言いたい」と思ったらもう止められない。万引き、痴漢、のぞき見などの軽犯罪を引き起こしたり、思いついたダジャレは全て言ってしまい、そのたびに寒い空気を作り出すのも、前頭葉が委縮し機能低下することが原因だ。

思い当たることがひとつある。高校時代からの仲間の飲み会。60才を過ぎた頃から小さな諍(いさか)いが起こるようになった。仕事や社会的な立場が変わる年頃であり、付き合いの距離感も見直す時期だったのだろうが、メンバーの "前頭葉の機能低下" も大いに関係していたのだろう。今は各人が分別を働かせることにより落ち着いている。

私は現役時代「迷ったら言う」を仕事の際のモットーとしていた。言わずに後悔するよりも、言って後悔しようという考えだった。「今オレ迷ったよな。じゃあ言おう」ってな感じで。振り返ってみて、これで大きな失敗は無かったので「まずまず正しかったかな」と自己評価している。

でも今後は変える。迷った時は「ゼントーヨー  ゼントーヨー」と二度唱えることにする。これにより 「自分は前頭葉の機能が低下しているのだ」ということを思い出して、その次に "言う言わない" "やるやらない" を決定する。これで私はもう大丈夫。河村さんや張本さんにも勧めたい。

"頑迷固陋" ‥ 「がんめいころう」と読む。字づらからも音からもニュアンスが伝わる。"頑固で視野が狭く道理をわきまえないさま。自分の考えに固執して正しい判断ができないさま。頭が古くて頑ななさま" 「キャー!」っと叫びたくなるほど私の理想の老人像とは真逆の熟語だ。

新たに老人社会に飛び込んだ私としては、前述の両氏などを "向かってはいけない方向を示す(逆)羅針盤" として位置づけよう。

話を戻す。"メダル舐め・メダル噛み" は河村さんの政治手腕とは別と承知はしている。しかし、絶対やってはいけない気持ちの悪い所業をやってしまう人だという事実、またそれを謝ることができない頑迷さが浮き彫りになった。最早これまで。市政を任すことはできない。今回の出来事でよく分かりました。ご本人はどうお考えなのでしょうか。ご判断を!

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ちょっと前にフジテレビ「ただ今、コント中。」でやっていたコント。サンドウィッチマン伊達さん扮する、只今県の矢目内知事の謝罪会見場が舞台。"コロナ禍の自粛中公費で150人の宴会"  "公費で事務所にサウナと水風呂を設置"  "公費で不倫旅行"  これらを記者から追求されると全て「やりました。公費です。」と認めて謝罪する。土下座までする。しかし記者からの辞職勧告に対しては毅然とした態度で「辞めません!」と応える。辞めない理由は「3ヶ月前に当選したばかりなので」という自分勝手なもの。ここで紹介する為にYouTube で見直しました。どうやら私の "ツボ" のようです。おもしろいと思うので是非見て下さい。

謝ることについて書いていたらこのコントを思い出し、どうしても紹介したくなってしまいました。書きたくなったら我慢できずに書くというのも、前頭葉の機能低下の仕業かも‥ 注意しなければ。

矢目内





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