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ルワンダジェノサイドからコミュニティを考える

ルワンダジェノサイドから生まれて

 昔、この書籍を読みました。

 ルワンダジェノサイドから24年経つという事で、震災の24年前と被る所があり、少し考えてみる事にしました。

 ルワンダジェノサイドとは、簡単にまとめるとフツ族という種族の過激派がメディアを通じて虐殺を先導し、ツチ族という種族、またフツ族の穏健派を大量虐殺(死者100万人近く)した、という凄惨な出来事です。

 現在のルワンダはどんな国かご存知ですか?
実はそんな凄惨な歴史があるにも関わらず、『アフリカの奇跡』と言われるほどの経済成長を見せています。

 NPOの将来についてのアンケートでは日本人の若者より、ルワンダの若者の方が『未来は明るい』と答えているそうです。ルワンダジェノサイドがあったにも関わらず、です。というのも、ルワンダには当時の加害者と被害者が共存しています。刑期を終え、普通に暮らしている加害者と、その加害者に家族を殺された遺族...顔を合わせて生活しているんです。

自分の両親を殺したり、娘を強姦した相手が近所に住んでいたらどう思いますか?


...ちょっと考えにくいですよね。

 そんな背景もありつつ、若者に「未来は明るい」と思わせる要因は何でしょうか。
 政治という面で見れば大統領が圧倒的なリーダーシップで国を導き、経済という面ではICT(情報通信技術)を中心にビジネスチャンスの多い国として見られ、外交においてもコーヒーを中心とした付加価値の高い生産物を輸出し利益を上げています。

 そこに、ルワンダジェノサイドの影はまるで見えません。そこに実は、NPO団体「REACH」の存在がありました。
 加害者と被害者が交流する場を設けたり、加害者が被害者の住居を建築するプロジェクト、共同でビジネスを行うプロジェクトなどを通し、24年の歳月をかけて被害者と加害者が和解出来るように働きかけ続けたというのです。

 ここに書くと簡単に聞こえてしまいますが、日本において『殺人や強姦』の加害者と被害者家族が同じコミュニティで生活する、というのは考えられない事ですよね。そこにNPO団体の不屈の精神は勿論、被害者、加害者両方の心の葛藤、歩み寄りは筆舌に尽くしがたいものがあったのでしょう。

 タイトルに『コミュニティ』をつけたのですが、あなたが考えるコミュニティとはどういったものですか?
 趣味や仕事、家庭や学校、そこには強制的に所属するものもあれば自由に出入りするコミュニティもあると思います。
中でも「国」という大きなコミュニティを考えると、おぎゃあと産声を上げた国に産まれた以上、その国にしばらくは属さなくてはなりません。

もしあなたが、ルワンダに産まれたら...あなたはどうすると思いますか?

 まだルワンダジェノサイドから24年しか経っていないにも関わらず、そのコミュニティを発展させ「アフリカの奇跡」とまで言われるものにしたのは、当時の被害者と加害者、そしてジェノサイドを知らない若者の力です。

 加害者と被害者が共存する、日本では考えられないコミュニティに生きながら、前を見て「今」を生きようとする姿勢の連続が積み上げてきたものだと思います。

 ルワンダの人々がこうだったんだから、もっと日本人しっかりせえよ!と言いたい訳ではありません。
 唯、人はコミュニティを選べる場合と選べない場合があり、日本にいる我々は殆どが前者です。一方後者、24年前のルワンダや現在の北朝鮮のような国もあります。

考えてみてください。

 もし自分が、選べない、望まないコミュニティに属した時どう生き抜くのか。もしくはそのコミュニティを作り変えていくのか。

「罪と罰」と向かい合う心。

「将来は明るい」と言える理由は何故か。

 ルワンダには考えさせられる事が多いと思います。日本で見るルワンダ産のコーヒーを飲む時にでも、少し考えてみてください。
ルワンダの主輸出品であるコーヒーも彼らの生活を支えています。

 そしてその時は是非フェアトレードやダイレクトトレードのものを。



#ルワンダ #ルワンダジェノサイド #コーヒー
#平和 #難民

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