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『四顧溟濛評言録』

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私、雁琳が書を読み世事を鑑みる中で私かに惟うことを綴りました、中編から長編の文章を載せて参ります。「溟濛」とは薄暗く先の見えないことを指します。どこを見渡してみてもこの暗い世の中… もっと読む
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2020年1月の記事一覧

加速する「暗黒」と人間の「影」

再び、「加速」について

 日月が天を巡る速さは古より変わらねども、人の世の動き行く速さは年月の経るにつれていよいよ増しつつあるように感じる。これも偏にインターネットなるものが、距離を越え間髪も入れずに吾々同士を繋ぎ合わせているからであろう。我々は最早「報せを待つ」ことを知らぬと言ってもよい。総ての情報は今や全地球を覆い尽くすようになった電光石火の回線によって瞬時に伝わってしまうのである。経済の根

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