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眠るが勝ち

寝ないとポンコツな自分

数年前働いていた部署では、睡眠の大切さを広める活動をしていた。
主に子供たちの成長にかかる睡眠が、いかに大切かということを広めていた。

そんな仕事をする前から、経験的に「睡眠が大事」とは感じていたが、科学的にも、やっぱり大切らしい。

僕自身も睡眠時間が足りていないと「ポンコツ」になることを実感する。
なんか色んなものにぶつかるし、物を落としたり、ひどい時には平らな道でつまづいたりする。
睡眠不足はそんな、注意力の低下を招くことになりかねない。

また、記憶力が低下するのも有名な話だ。
脳の海馬という機能では、睡眠中にその日に起こった出来事を整理し、重要な記憶とそうではない記憶に分けている。
十分な睡眠が取れていなければ、必要な記憶を定着させることができない。
そのことを、10数年前の僕が理解していれば、テスト勉強で徹夜するなんてバカな真似はしていなかっただろう。

睡眠不足運転

そんな「睡眠の大切さ」を理解してから、どうしても気になっていることがある。
それは「睡眠不足運転」について。

飲酒運転を知らない人はいないだろう。
年々取り締まりが厳しくなってきているし、そもそも法律で禁じられている。

では、睡眠不足運転はどうだろう?
言葉として存在しているかも自信がないが、その名の通り睡眠が不足した状態で運転することである。

これについては、意識している人は少ないと思うし、実際「そんなことを言ったら運転なんかできない」人もいるだろう。

しかし、とある研究では「飲酒状態」と「睡眠不足状態」は注意機能が同程度まで低下するという結果が出ているそうだ。

これについてどう考えるか。
飲酒運転が危険だからという理由でダメなのであれば、同程度のリスクを伴う「睡眠不足」に注目される未来も遠くないのかもしれない。

ウサギとカメ

最後に、イソップ童話からひとつ。
「ウサギとカメ」というお話は、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

足の速いウサギと足の遅いカメがかけっこをする話だ。
ウサギは足が速いので、カメを引き離すが、途中で昼寝をしてしまったがために、コツコツと進んできたカメに負けてしまう話。

ここから得られる教訓はなんだろう。
「油断大敵?」「コツコツ努力する大切さ?」
もちろんそれもあるだろう。

しかし、この話は「寝る=怠け者」というイメージを与えていると感じる。

ウサギは寝たために負けた。
実際、現実社会においても「寝る」という行為には、少なからずネガティブなイメージがあり「寝る間も惜しんで」頑張る人に称賛の声すら聞こえてくる。

見方を変えてみよう。
そもそもウサギは夜行性。
そんなウサギを日中の勝負に連れ出した、カメの作戦勝ちではないだろうか。

ウサギは、怠けて寝たから負けたのではなく、寝なければならない時間に寝られなかったから負けたのだ。

「眠るが勝ち」———。



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