見出し画像

Super Ikonta 531V について(1/2)

Super Ikontaは、ドイツのカメラメーカーとして有名なCarl Zeiss社が、第2次世界大戦前の1930年代から戦後の50年代にかけて生産した蛇腹式の中判カメラのブランドです。

画像4

戦中の混乱期をはさんで20年以上も生産し続けてきただけあって、大小さまざまな仕様の変更が行われ、型番も複雑に枝分かれしています。
私の機体は戦後の1953年製の531v型。中版フィルム使用の6×4.5のフォーマットで、セミイコンタとも呼ばれているようです。
6×4.5のフォーマットは中版フィルムではハーフサイズにあたり、フィルム1本で16枚撮影可能です。

購入時点で生産から60年以上が経過していたため、写真を撮るという基本的な動作は支障がないものの、ファインダー内の汚れや各部の動作の重さなど、快適に使える状態ではありませんでした。
そこで、昨年、外出機会が減ったことをきっかけにオーバーホールを依頼。
ファインダーはクリアに、動作も驚くほどスムーズになり、撮影していて楽しいと思えるカメラとしての魅力を取り戻しました。

ちなみにオーバーホールは(株)関東カメラさんへ依頼、料金は4万円ちょっとで期間は2か月ほどかかりました。
素晴らしい仕事をしてくれて、本当に感謝しています。

画像4

戦前から「Eagle eye, Tessar (鷹の目テッサー)」として有名なCarl Zeissのテッサーレンズの写りは、現代の目から見ても素晴らしく、切れ味鋭い非常に印象的な写真が撮れます。
3群4枚のレンズ構成でコーティングは単層コートと、現代の10枚近いレンズ構成とマルチコートのレンズを見慣れた目からすると非常にシンプルな作りですが、撮れる写真は決して劣りません。

明暗差の大きい場面などでは流石にやや暗部が潰れ気味に感じることもありますが、全体の描写がまず強く印象付けられるので、それも含めてのレンズの魅力と思っています。

また、蛇腹式カメラ特有のコンパクトさも魅力です。
折りたたんでしまえば少し厚めの文庫本と同程度のサイズとなり、ジャケットのポケットに余裕で収まります。

画像2

画像3


ハッセルブラッドやローライフレックス、マミヤなど他の中判カメラと比べるとそのコンパクトさは際立ちます。
重量も軽いため、持ち歩くことが苦になりません。
一眼レフの様な威圧感がなく、明るく見やすいファインダーと合わせ、街角でのスナップショットにも十分に使えます。

次回はまとめと作例を紹介します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?