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【特集】もう一度観たい、やばいB級映画 第5回 「マニアックコップ1&2」【ネタバレ注意】

世の中にはどうしようもない映画もある一方で本当に素晴らしい映画もあったりする。

とはいえ、世間でいう素晴らしい映画と俺の言う素晴らしい映画ではかなり違いがあるかもしれないが・・・。

本作はそんなもっとも過小評価されてしまっている2作をレビューしていきたいと思う。

ストーリーはシンプルだ。

刑事の格好をした連続殺人鬼が町をにぎやかしていた、そいつは目の前で強盗されてる女性がいれば女性を殺して強盗を逃がすような警察にとって風評被害100パーセントなこまったやつである。

そんな中、女の同僚と浮気していたブルース・キャンベル扮する若い刑事に疑惑がかかってしまう。ただでさえきな臭い彼の妻がなんとその殺人鬼に殺されてしまったからだ。

そんな中ベテラン刑事は彼の無罪を信じ、これが数年前に死んだはずのコーデルがかかわってることを突き止める。

が、ベテラン刑事は途中で殺され警察署では死体の山が築き上げられる。コーデルとつながっていたかつての恋人の証拠保管室のばあちゃんも殺されてしまう。

ブルース・キャンベルは「こらたまらん」と不倫相手だった女刑事とともにコーデルのことを調べ上げ、彼を逃がした検視官を尋問して証言を得ることに成功する。


コーデルは市長と上層部の不正をつかんだが、無実の罪で終身刑になり刑務所で今まで捕まえてきた悪党たちにリンチされ殺さてしまったのだ。

だが、強靭な肉体と大柄な巨躯をしたコーデルは死ぬに死ねなかった・・・。生きていたのだ。

検視官の男はコーデルに同情して彼の死亡記録を偽造してなんと開放をする。

それ以降彼は自分が忠誠をつくした正義や警察を信じられなくなっていき、警察組織に対する復讐ともいえる殺人を繰り返していた。

ブルース・キャンベルに的を絞ったコーデルは怒り狂いながら襲撃をする。戦いの末カーチェイスを繰り広げるキャンベルとコーデル。

ちなみにこのタイミングでコーデルの顔がわかるのだが、これがいい感じにグロテスクだったりするのだ。

グロすぎもなく、きれいでもないほど良いデザインがなんとも心地よい。

コーデルの乗ったパトカーは川の中に転落し、キャンベルは生存する。

しかし、コーデルの死体はなかった。

奴は生きている・・・復讐の時をまちながら・・・。


というのが1の話だ。

これだけでも十分できのいい映画だが、2になるとやたらとテンションを増してくる。

2はなんと1のエンディングから始まる。

冤罪をはらし浮気相手とよろしくしていたブルース・キャンベル。

もはやコーデルに殺された奥さんのことなどわすれているようだ、ひどいやつである。

しかし、どうもしっくりこないキャンベル、どこかでコーデルが生きてるんと違うんかな・・・と考えていた。

案の定コーデルは生きていた。そして、暴走していた。

目の前で警察に捕まりそうな悪人がいれば悪人を助け、市民や警官を殺していく。

さらにコーデルは道中で助けたレイプ魔と仲良くなり、行動を共にする。

まるで悪の桃太郎である。

すると逃げ込んだ廃墟でレイプ魔は話しかける。

「あんた、何て名前なんだ?」

「コーデル、マット・コーデル・・・。」


なんとコーデルは喋れたのだ!!!

その後、コーデルはブルース・キャンベルをみつけ殺人警棒で突き刺して惨殺する。

その一部始終を聞いてしまいコーデルに触ってしまった盲目の浮浪者は警察の取り調べでこういう。

「わしは目は見えんが、生きてるもんはわかる。奴に触ったが、奴は死んでいた・・・。

その後主人公はダンディなおっさん刑事にシフトするが、こいつはあんまり役にたっていないので割愛(笑)

恋人を殺された浮気相手の女刑事は復讐を誓い、コーデルとタイマン勝負をするがもちろんかなわず首をへし折られ殺される。

前作の主人公たちがあっさり殺されていくというカタルシスがたまらない。しかも恐ろしく感情移入できないバカどもだったので、ざまあかんかんである!

コーデルはその後、レイプ魔と一緒に刑務所を襲撃して、刑務所にいるレイプ魔の友人たちを解放していき・・・なんと犯罪者ばかりの帝国を築き上げようぜ!などと話が広がっていく。

ちなみにコーデルさんは警察官だったころの知識をいかして鍵を盗んでくれるのだった。

そして顔がさらにひどくなっていた。

しかし、おっさん刑事は警察上層部の腐敗の証拠をつかみ警視総監をひきずりながら立てこもり犯に説得するそれのように演説をはじめる。

「お前が無実なのは知ってる!ここにいる警視総監が謝罪するそうだ!」

すると警視総監のおっさんは半泣きで謝罪する。

「わしらは腐敗してた!その罪を認める!そして謝罪する!」

今まで憎悪しかなかったコーデルの心に正義がもう一度かまくびをあげる。ここはコーデルは無表情だが、何を考えているかわかるのがすごい。

ふと、刑務所の中にいるやつらをみると・・・コーデルは気が付く

「ここは俺が死んだ場所だ!!」

コーデルはふと周囲をみる。

そして、目の前には自分をリンチして殺した悪人たちがそこにいた。


刑務所内で殺人を起こしたのに何のお咎めもなかったのだ!!

怒り狂ったコーデルは次々に囚人を殺していくのだった!!(ここで音楽のボルテージが上がるのがすごくかっこいいのだ)

どこかの囚人が火炎瓶を投げ込むが、コーデルは止まらない。

なぜならコーデルの心が怒りの炎で燃えているからだ!

レイプ魔は友人コーデルの凶行を見て悲しみ、制止しようとする。


「てめえなんてもう友達じゃねえ!!!!!」


コーデルとレイプ魔がもみ合っていると、二人は壁をつきやぶってとうとう外へ転落していきバスの中へとまっさかへ落ちる!!

レイプ魔の男は焼け死に、コーデルもついに成仏したのだ。

コーデルの葬儀が行われる、そんな中おっさん刑事が「我々もいつかマニアックコップ=イカレた刑事になるかもしれませんなぁ・・・。」といって去っていく。

墓の中、棺をぶち破ってコーデルは生きている!!というフラグがたち映画は終わる。

いかがだろうか?これがマニアック・コップの1と2の話である。

当時はやっていた「リーサルウェポン」系の刑事映画と「13日の金曜日」系のスラッシャー映画の融合した映画だが、ただの亜流では終わらない迫力とカタルシスで全編がつつまれている。

そして、コーデルの悲しい過去が回想されるシーンでは↓の曲が流れる。

悲壮的で幻想的だが、不気味さもある名曲である。

この曲だけで描写はないが、彼には昔正義や理想があったけど無念の死を遂げてゾンビになってしまったんだなぁ・・・と観客は考察できる。

1が制作されたのは1988年、2は1990年だが、同時に公開されたほかの映画と比較しても今見てもなお迫力がある映画である。

正直言って警察映画ベスト5を決めるんだったらかなり上位にランクインするかもしれない映画だ。

確かにホラー成分は薄いし、あんまり被害者がひどい死に方で死なない映画だが逆を言えばスラッシャー映画になれない初心者にはお勧めの一本であったりする。

ハリウッドもネタがないならこういうのリメイクすればいいのに・・・。

リメイクしたらすごく面白い新作が見れるのではないかと、期待を寄せているのだ。

ちなみに監督はウイリアム・ラスティグで、殺人鬼の視点で描かれた悲劇的なスプラッター映画「マニアック」を撮っているがこれも面白い。

脚本は「空の大怪獣Q」や「悪魔の赤ちゃん」といったような怪獣映画の傑作を量産していったラリー・コーエンだ。

ほかにはコリン・ファレル主演でとられた理不尽系サスペンススリラー「フォーン・ブース」のシナリオも描いている。





ちなみに3があるが、これは正直どうでもいい映画なので見なくてもよい。

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