日本のインディーゲーム開発者は中国を攻めるとよい理由

今、インディーゲームは中国が熱いです!…なんてインディー開発者どこかで一度は聞いたことがあるかもしれません。なぜ今中国がインディーゲーム開発者にとってよいのでしょうか。

今回、日本のインディーゲームディベロッパーである僕がChinaJoy2019に行ってリアルな中国の海外事情を肌で感じてきたので、市場の空気感や攻め方などをご紹介します。

1.[準備]市場の背景

まずは現在のゲームアプリ市場の確認です。「大体わかるよー」って人は飛ばしてください。

昨今、ストアのランキングを見ると、海外のアプリがランキング上位に入ることも珍しくなくなってきました。また、日本のアプリが海外のランキングに登場することも増えてきています。
中国はどうかと言うと、同じように中国国外のアプリがランキング上位に入ってきています。さらに特徴を述べると、ランキングいるアプリはハイパーカジュアルなどインディー開発者が行えるゲームも並びます。

そうです、今カジュアルゲームが熱いのです。

市場についてはこの記事が詳しいので、詳細を知りたい方はご覧ください。

この背景には、国内外のパブリッシャーの存在が大きいと思っています。パブリッシャーとは、アプリを配信するためにいろいろしてくれる存在です。
ディベロッパーにとって超嬉しい存在だと思います。
もちろん日本のゲームを中国に配信してくれるパブリッシャーもいます。

2.[準備]中国へのアプリ配信の壁

中国にアプリを配信するには、様々な壁があります。ここもわかる人は飛ばしてください。

先にはっきり言うと、中国事業者が必須であり、パブリッシャーおまかせするのがいいと思います。

この話は長くややこしいので、この記事では割愛します。ですが、知っておいた方がよい事なので、以下の記事などを見てください。

3.現地で体感した…中国では海外のディベロッパーを探している

本題の1つChinaJoyでのことです。

ChinaJoyでまず驚いたのは会場の広さでした。中国の人工は日本の10倍というだけで市場は期待出来るのに、ゲームに関心を寄せる数や熱も日本に負けていません。

ところで会場のことはともかく、僕はあるツテのお陰で現地のストア関係者やパブリッシャーの方々と打ち合わせをすることが出来ました。そこで感じたことは、彼らは海外のゲームも積極的に探しているということでした。

これはディベロッパーである僕らにはチャンスです。

そもそもパブリッシャーは自分たちでゲームを作りません。(ゲームを預かって現地の広告SDKの導入などはします。)そのため、良いディベロッパーなら国内にとどまらず海外からも探すんですね^^;
特にハイパーカジュアルの分野は言語が少なく直感的でわかりやすい分、受け入れやすい傾向があると感じました。実際にハイパーカジュアルを専門に集めているパブリッシャーもいるくらいです。

更に、今は日本のディベロッパーを探しているパブリッシャーが増えているタイミングだと思いました。日本の優良ディベロッパーは早いもの勝ちだと考えてそうです(言い過ぎ…w)

また、パブリッシャーと言ってもやり方や得意分野は様々で…
・特定のゲームジャンルが得意である。
・出来上がりのゲームのソースコードを渡し、あとは丸投げというやり方。
・開発段階から関わってくれて、条件によっては開発費もくれる。
・リリース後の改善提案もあり、収益の最大化を一緒に考えてくれる。
などなど、それぞれで特徴があるため、ディベロッパーとパブリッシャーの相性もとても大事だと思いました。

4.実際どうやって中国を攻める?何が必要?

恐らく多くのディベロッパーは、実際に中国を攻めるといっても一体どうすればいいのかがわからない状況では無いでしょうか?自分はそうでした。
中国は独自のルールがあって事前知識だけでも大変ですよね。。。ディベロッパーとしては、ゲームを作る代わりに、足を運んだりややこしい申請や交渉は出来れば避けたいところ。

中国を攻めるには、パブリッシャーと組むことがすべてです。なので、パブリッシャーを探しましょう。

パブリッシャーを探すには、中国市場に深く関わっている人を頼るのがいいです。もちろん日本人でもいいです。出来ればパブリッシャーと繋がっている人がいいですね。
「自分はこんないいアプリを作りました。中国市場に興味があります。」と相談に乗ってくれると思います。

前述にもある通りパブリッシャーにも様々な特徴があります。
これを知らずに自分で売り込んだり下手に動く事は危険です。悪質なパブリッシャーと組むことにもなりかねません。
複数のパブリッシャーと交流がある人なら、良いマッチングも考慮してくれるかもしれません。

デベロッパーが中国を攻めるために必要なことはそう多くありません。
というのも、中国に配信するためのことはパブリッシャーがすべてやってくれるからです。
ゲームを作る上では、血を表現は禁止、宗教に関することは厳重なチェック、など注意すべきことがあるので、詳しくはパブリッシャーや有識者に聞くのが良いかと思います。

言語については、英語が話せれば十分です。しかし、英語のやり取りが普通ですが、日本語が出来る方が担当するパブリッシャーもいます。中国語、英語が出来ないからって諦める必要はありません。
ちなみに僕は中国語も英語も出来ませんw

さて、最後に中国市場関係者と知り合うきっかけですが、一番おすすめなのはセミナーに参加することでしょうか。
登壇される方に直接伺ったり、関係者が必ずいるので思い切って声をかけるのがよいと思います。
前述に貼ったURLはセミナーにまとめですし、今はChinaJoy直後なので事後セミナー↓もあります。

5.なぜインディーゲームがよいと思うのか

なぜ”インディーゲーム”と言及しているか、ということについてです。

すでに上で大体書いているので、箇条書きでサラッといきます。

・中国含め世界的に(ハイパー)カジュアルがトレンドである。
 (大手がいきなり方向転換することは考えにくい分野)
・中国のパブリッシャーが日本のディベロッパーを探している。
・お金が無くても開発費を出してくれるパブリッシャーもいる。
・全く人気が出ないが、良いアプリなら拾われる可能性がある。
・パブリッシャーが見つからなかったら?→普通に日本で配信すればいい。

要するに、インディーゲーム開発者にとって条件がいいことばかり、ということです。
反対にリスクや手間は大きくないため、中国市場を狙ってみて損は無いと思っています。

さいごに…

なぜ僕が中国のことについて取り組んでいるかというと、実際にパブリッシャーの方が声をかけてくれたからです^^;
やるからには僕もそれなりに知っておいた方がいいし、今後どうするかを考えるために今回ChinaJoyにも行きました。僕は声をかけられた身ですが、上で述べた攻め方は間違っていないと思います。
今回まとめたことで他のディベロッパーが生きるヒントになると嬉しいです。

そういうことで宣伝して終わりにさせてもらいますが、パンダと犬のワンダフルライフ(iOSAndroid)をどうぞよろしくお願いしますw


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