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A-303 うずくまるヴィーナス(トルソ)

石膏像サイズ : H.30×W.24×D.12cm(原作サイズ)
制作年代   : 紀元前1~1世紀頃(紀元前3世紀のブロンズ彫刻が原作)
収蔵美術館  : ルーブル美術館 (1888年に購入)
出土地・年代 : ベイルート近郊(レバノン)で発掘

跪くヴィーナス像のスタイルは、紀元前3世紀頃の古代ギリシャの彫刻家ドイダルサスの作品(おそらくブロンズ製、現存していない)が出発点になっているもので、続く時代にたくさんの模刻、ヴァリエーションが制作されました(”ドイダルサス”が原作者なのかどうかは、議論があるようです)。同一モチーフの様々なヴァリエーションのコピー作品を分析した学術的な分析によれば、この跪くヴィーナスは水浴をしている場面であり、右の膝をつきながらうなじのところへ水をかけているということです。体を折り曲げ、身をよじるポーズは女神の肉体的な美しさをより強調しています。

同タイプのヴィーナス像 大英博物館収蔵 2世紀頃 (写真:Wikimedia Commonsより)


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