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K-133 ひげの男胸像

石膏像サイズ: H.61×W.32×D.32cm(縮小サイズ)
制作年代  : 1833年
収蔵美術館 : エトワールの凱旋門外壁、オルセー美術館、ディジョン美術館
作者    : フランソワ・リュード(François Rude 1784-1855)

19世紀初頭に活躍したフランス人彫刻家フランソワ・リュードが、エトワールの凱旋門のために製作した装飾彫刻の一部です。

エトワールの凱旋門は、ナポレオンが1805年にアウステルリッツの戦い(ロシア・オーストリア軍を破った)に勝利したことを記念し、翌年に建造が始まったもので、ナポレオンの死後1836年に完成しました。リュードは1833年にこの凱旋門の装飾彫刻の依頼を受け、四面ある巨大レリーフのうちの一つを請け負いました。そして制作されたのが「ラ・マルセイエーズ(1792年義勇兵の旅立ち)La Marseillaise - Departure of the Volunteers of 1792」と題された群像レリーフで、「ひげの男(“ガリア戦士” Le Guerrier Gaulois)」と呼ばれる彫像はその一部分です。

群像の全体像としては、フランス革命期の1792年、プロイセンとの戦争で窮地に立たされていたフランス革命政府を救うため、フランス各地から義勇兵がパリへと終結し、敵国と内通していた国王一家の住むテュイルリー宮殿を襲撃したエピソードが描かれています。このときマルセイユから馳せ参じた義勇兵達が歌っていたのが「ラ・マルセイエーズ」という歌(後にフランスの国歌となった)で、リュードの作品名もこのタイトルにちなんだものです。

仏・ディジョン美術館収蔵 「ガリア戦士の胸像」(ラ・マルセイエーズの部分)ブロンズ像 石膏像と同一サイズ(写真はWikimedia commonsより)


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