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L-664 アテナ神レリーフ

 石膏像サイズ: H.54.5×W.31.5×D.4.8cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前470年
収蔵美術館 : アテネ・アクロポリス博物館
出土地・年 : アクロポリスの丘 1888年

「嘆きのアテナ(Mourning Athena)」と呼ばれるアテナ神のレリーフです。紀元前470年頃、現存するパルテノン神殿が建造される(B.C.438完成)よりも少し前の時代に製作されたものです。知恵・藝術・工芸・戦略を司る神であるアテナとしては、珍しく物思いに沈むような図像が印象的です。コリント式の兜をかぶり、身にまとった長いぺプロスを腰のあたりで縛ってまとめています。左足を後ろに引いて、槍にもたれかかり、うつむいた視線の先には、角柱の石碑のようなものがあります。この図像の解釈については諸説あり、①右側の石碑のようなものがアテネ人(達)の墓碑であり、その死を嘆いている。②石碑の上には本来、アテナの乳児(アテナとへパイストストスとの間に出来た子”エリクトニオス”)が居て、それを見つめている。③単に物思いにふけっている、などがあります。

アテネ・アクロポリス博物館収蔵 「嘆きのアテナレリーフ」 紀元前470年頃 (写真はWikimedia commonsより)


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