古代ギリシャ

哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その1

謎その1 どうして日常はつらいのか?

バサバサバサ・・・

バッサバッサバッサバッサ・・・

何の音だ?

「ああもう大変」

そう言いながら入ってきたのは、「お天気お姉さん」こと村松玲奈。両手には大きなごみ袋。

まずいな。石戸さんに八つ当たりしないだろうか。

心配になって、石戸さんのデスクのほうを見た。石戸さんは、パソコンのモニターを見ながら、何かを書いている。

お天気お姉さんは、両手に

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その41

謎その41 世界をありありと見る目はどうして二つある?

青い光。

目をあける。

まぶしい。

もう一度ゆっくりと、目をあける。

あの光るものは何だ。

「孵化させてくれたのね。どうもありがとう」

横を見ると、石戸さんが立っている。少しうつむいて、何かを見ている。

石戸さんが見ているのは、僕が両手でもっている黒い塊だった。

黒い塊は、僕の両手の中でうごめきはじめ、二つの大きな翼をひらい

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その39

謎その39 〈ほかならないあなた〉と〈誰でもない私〉はどうやって物語の世界に入る?

海。

波が寄せて、返す。

波が寄せて、返す。

一人の少女が、波にぬれた足で、海から駆けてくる。

「ナウスィカー様、もう海には落とさないでくださいな」

少女の手には鞠。

光があふれる。

ゆらめく海。

青い光。

なぜ?

なぜ私?

私はそれを知りたかったのだ。

それを知りたくて、私は私自身を離れ

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【古代ギリシャ語・ラテン語学習者のつぶやき】どうしてギリシア語をやる上でトルコ語が必要になったのか

最近はコツコツと以下の書籍を勉強しておりました。

なぜ「古代ギリシア語マニア」を自称している人間がトルコ語を必要としたのか?

実際にギリシア語に沈滞した人でないとピンと来ない話かもしれませんが、古代から現代までのギリシア語の変化を追っていくと、どうしてもトルコ語の影響を無視できない。

それで私も「ギリシア語をより深く知るためのキーとしてのトルコ語」を、教科書一冊分勉強してみたわけです。これは

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【古代ギリシャ語・ラテン語学習者のつぶやき】ふとふりかえると保育園児の娘が古代ギリシア人の真似をしていた

父親の影響というのはこんなにも強いものなのでしょうか。

古代ギリシア語の例文をノートにメモして暗唱を繰り返していると、

私のちいさい娘が「みてみてー」と書斎に駆け込んできました。

ふりかえると、娘が頭に輪ゴムをつけ、白いシーツに体をくるんで踊っており。

父親が古代ギリシア語ばかりやっていて、その手の図鑑や資料も床に散らかしていたせいです。娘が古代ギリシア人っぽい恰好をして遊んでいるなんて。

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その37

謎その37 〈切り分ける力〉がなくなったらどうなる?

青く光っていた数たちが、見えなくなった。

真っ暗闇の中、卵形の石だけが燃えていて、石戸さんの姿を照らしだしている。

「〈切り分ける力〉が止んだ」と石戸さんは言った。

すべてのものが、闇の中にあるのがわかった。数だけでなく、架空の人々や、実在の人々も。

人間だけでなく、ありとあらゆる生き物たち、星々、物質、そして光までもが、闇の中にあっ

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300~捨て石の覚悟

これは199回目。ハリウッド映画『300』で有名になりました。テルモピレーの戦いのお話です。野球で言えば、犠牲ファウルです。送りバントもそうかもしれません。捨石の覚悟ということですね。戦史で、ことのほかこの捨石の見事な例として語り継がれてきたのが、この戦いです。わたしがこれを岩波文庫のヘロドトスの『歴史』を読んで初めて知ったのは、(よく覚えています)ちょうど中学1年生のときでした。

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【古代ギリシャ語・ラテン語学習者のつぶやき】表現力の豊かさで勝負ができるということ:古代VS現代

職場の人間関係についてある女性から相談を受けたときに感じたこと。

その人はマンガを描いたり小説に興味があったりする人だとは知っていたのですが、表現力が確かに素晴らしいなと思いました。話題が人間関係についての相談でも、いかにも本人が正義で相手が悪人みたいに聞こえる。完成された物語になっているわけです。本人も無意識にそう語っているわけですけどね。

私自身もnoteをやったりライターをやったりしてい

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その34

謎その34 どうしてすべてのものを合わせると一つになるのか?
 
先頭に戻ってきた1は、「やれやれ」とつぶやいた。

「あなたには、こうなることがわかっていたのですね」と、石戸さんは1に言った。

「あなたは、ほかの数たちと、どこか違いますね」と僕は言った。

「私は数だが、それと同時に、数ではない。私は数であり、闇。闇であり、ゼウスの玉座」

ゼウス!石戸さんと僕は顔を見合わせた。1とは一体・・

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【古代中世言語をやっている人ゆえのつぶやき】ドイツ哲学者ニーチェの本職は古典ギリシア文献学だったことがあまり知られていない件

ドイツの哲学者ニーチェ。日本でも特にクリエイター気質の方に人気のように思います。たしかに、難解ながらもどこか読む人を「奮い立たせてくれる」ような思想家であることは確かです。

ですがここでも、古代ギリシア語やラテン語に埋没した生活をしている者としてヒトコト。

実はニーチェの本職は哲学教授ではありません。

彼は大学教授でしたが(結局はすぐ辞めちゃうけど)、ポストとしては「古典文献学の正教授」です

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