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英語ができる人の中国語「あるある」

ギーク中国語講座に参加してくれるようなエンジニアは十中八九英語ができます。もともと英語でも情報収集していたところ、最近になって「あれ?これ一次資料が中国語じゃん?」という現象に気づき、それが中国語学習の動機になっているからです。

そういった人々は中国語もあっという間にものにしていくのですが、実は英語ができるがゆえの共通した間違いポイントのようなものがあります。中国語には厳密な文法がないとも言われるので「間違い」と言っていいのか微妙ではありますが、私が気になったものをいくつかご紹介してみようと思います。

【お願い】私自身が実践の中で「より中国語らしい表現」をするために気づいたことをまとめています。文法の正しさを保証するものではありませんので、もし認識の間違いがあったらご容赦ください。

●場所は前へ

中国語はよく英語と同じ語順と言われますが、実は結構違います。後ろから修飾をする英語と比べて中国語は先に修飾する語が来るので、そういう部分はむしろ日本語に近いです。いちばん多くみられる間違いの一つが場所を表す語の位置。例えば、夕日の写真に添えて「深圳の夕日」とキャプションをつけたい時、英語ができる人は"夕阳在深圳"と書く人が本当に多いです。おそらく英語の"Sunset in Shenzhen"の感覚なのだと思いますが、中国語らしい表現としては"深圳的夕阳"です。このように場所はできるだけ前へ、と意識すると、中国語らしい文になります。

●是はbe動詞のようでそうではない

次は中国語でもっともよく使う動詞の一つである"是"の誤用です。これは英語の「be動詞」と似ていますが、形容詞には使わないのが普通。例えば、「この花はきれいです。」と言いたい時、英語では"This flower is beautiful."なので、"这朵花是很美。"とする人がいます。でも一般的な言い方としては"这朵花很美"。主語に続けて"很"(形式的につく副詞)と形容詞をつければOKです。
"是"は他に「是〜的」構文に使われますが、この時"是"は省略できるので、私は「迷ったら"是"は省く」ということにしています(笑)。

●中国語に時制はない

中国語を学ぶ外国人にとって永遠の課題である語の一つが「了」です。動作の完了や変化を示すことから、英語をやってきた人はこれを「過去形」や「過去完了」といった時制として理解しようとします。でも「了」は時間というよりは状態を示す語。例えば「昨日は楽しかった」と言いたい時、"昨天我很开心了。"とは(たぶん)言いません。この場合、「楽しい」ということだけを言いたので"昨天我很开心。"が普通です。そして、いつ時点の話なのかは"昨天"が示しています。
でも、「だんだん不機嫌になってきた」というような状態の変化を表す場合は"越来越不开心了"になります。こうして使い方を並べてみると「時制」としては把握できないということがわかるのではないでしょうか。

以上、英語学習者が中国語を始めた時によくある間違いをご紹介してみました。「英語でいうと…」という発想はできるだけ捨てて、中国語独自の「世界観」を知ると、きっとさらに中国語学習が楽しくなると思います。

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