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朗読のススメ

中国語の勉強を始めて以降、交流会に参加したり中国のお友達と会ったりして、日本にいても月に数回は自然と中国語を話す機会が持てていました。ところが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で外出を自粛するようになり、気がつけば中国語を全く話す機会がないまま1ヶ月以上が経ってしまいました。

これではいけないと思い、以前から時々朗読していた中国の故事を集めた子供向けのテキストを頭から1話ずつ毎日読むことにしました。先日全51話を読み終えたので、今日はそのやり方と感想を書いてみたいと思います。

●やり方

子供向けテキストは外国人の中国語学習者にとってもとても良い教材です。具体的には、
・平易で正しい中国語を学べる
・ピンインが振られているのでわからない単語を調べやすい
・基本的な成語(四字熟語)を学べる
・中国で誰もが知る逸話を学べる
といったメリットがあります。
今回はひとまず発音練習をメインとし、
1)まず一通り朗読
  ↓
2)わからない単語を調べ、意味を正確に把握
  ↓
3)録音しながら再度一通り朗読
  ↓
4)録音を聞いて、間違った箇所をチェック
これを1話分ずつ、毎日続けました。お話の長さは約550文字から700文字くらいで、私のスピードだと1話あたりの朗読時間は4分から5分くらいでした。
以下、それぞれのパートについて詳しく説明します。

●まず一通り朗読

スタート当初はあまりに中国語を長く発音していなかったため、子供向けの文章でありながら情けないほどスムーズに読めませんでした。また、漢字を読むというよりはピンインに頼ってしまい、文章の切れ目もいい加減になってしまいました。
そこで途中からは基本的に漢字を見て、発音が不安な場合だけピンインを見るようにしました。また、会話文などはちゃんと感情を込めて読むように意識しました。

●わからない単語を調べ、意味を正確に把握

小学低学年向けの内容なので、一度読めばどんなお話かは理解できますが、それでも知らない単語は毎回ありました。特に成語(四字熟語)は1話の中に3個から5個くらい出てきて、9割は初見でした。日本の辞書に載っていないものも多く、また中国語での説明の方が理解しやすい部分もあるので、すべて中国の「百度」で意味を調べました。イマイチ意味がつかめない場合は、その成語に「造句」をつけて検索すると例文がたくさん出てくるので、それをいくつか見てだいたいの意味を把握しました。

●録音しながら再度一通り朗読

単語を調べて意味を把握したら、スマホの音声レコーダーで録音しながら再度朗読します。始めたばかりの頃はとにかく発音することが目的だったので、意味を調べたらすぐに2回目の朗読をしていました。が、だんだん慣れてくると毎回成語を含む新出単語の箇所で必ずつまずくことが気になるようになりました。そこで、意味を調べた後に数回発音練習をしてから2回目の朗読をするようにしました。

●録音を聞いて、間違った箇所をチェック

ピンイン付きにもかかわらず、自分の朗読を聞き返してみると毎回ミスがありました。多かったミスは以下の通り。
・四声間違い
・3声が続いたり、"一"とか"不"とか後ろの声調によって声調が変わる場合に一瞬止まってしまう
・有気音が無気音に聞こえる
・二重母音が発音できていない
・ngを発音しているつもりなのに録音では聞き取れない
どれもずっと課題として意識していたことですが、特に読み慣れない単語をピンイン頼みで読もうとしても、文章を朗読するという流れの中ではなかなか正確に発音できないということに気づきました。そこで後半は漢字一字一字の発音をしっかり身に刻むよう意識して発音練習をしました。ピンインが読めるとつい読める気になってしまいますが、その漢字を見たらピンインが思う浮かぶより先に発音が口をついて出る、これくらいにしないとスムーズな朗読はできません。日本語だってローマ字だけで書かれた文はスムーズに読めませんよね。これは今後も気をつけて練習したいポイントです。

●51日間やり切ってわかったこと

【よかった点】
まず、自分の朗読を録音して聞く、というのは絶対にやった方がいいです。ネイティブに聞いて評価してもらわないと意味がないと思っていましたが、自分で聞くだけでも数え切れないほど課題が見つかります(泣)
そして何と言っても成語の理解が抜群に進みました。これまで成語についてはいろいろな方法を試してきましたが、どれもイマイチでした。でもお話を朗読しながら覚えるとイメージが明確になり、発音と合わせて記憶に残りやすくなります。また子供向けテキストに出てくるくらいなので、比較的よく使う成語を覚えることができます。実際、新たに学んだ成語を別のところで目にすることが何度かありました。
【残念な点】
言ってみれば国語の教科書なので、新しい言い回しやネットスラングなどは一切学べません。それから、たまーにピンインが間違っているので、「これは怪しい…」と思った時はTwitterやWechatでネイティブに質問して確認しました。おそらくネイティブには気にならないほどのミスなのだと思いますが、私たち外国人は間違って覚えてしまうと矯正に苦労するので、気になるものは都度確認することをお勧めします。

●今後のチャレンジ

ひとまず発音練習のつもりで始めましたが、成語を覚える、中国の歴史や文化について学ぶ、という個人的な課題についても大きな成果が感じられたので、今後も引き続き子供向けテキストの朗読を続けようと思います。今回読んだものは中国の友人に買ってきてもらったものですが、同じようなテキストはAliExpressで買うことができるので、早速注文しました。楽しみです。
みなさんもレベルや目的に合わせてどんなテキストでもいいので、是非朗読を習慣にしてみてください。

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