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【プラッシー】

ある動画を観ていたら〈プラッシー〉の話が出てきた。実に懐かしい名前だ。

僕が子供の頃に飲んでいたジュースは〈粉末ジュースのもと〉を水で溶いたものであった。〈渡辺のジュースの素〉というのが定番だった。

勿論〈瓶入りオレンジジュース〉もあったのだが、それはチョッとした上級品で、それこそ、風邪を引いて39℃以上の熱が出た時にだけ、母が買って来て飲ませてくれるような特別なものだったのだ。

その中でも、米屋でしか売っていなかった、タケダの〈プラッシー〉は別格だ。

・・・・・・・

〈プラッシー〉は昭和33年に「武田薬品工業」から発売された果汁入りのオレンジジュースで、ビタミンCをプラスしたことから、商品名が〈プラッシー〉となった。

製薬会社なので小売店への販売ルートを持たなかったため、当初は米穀店を通じて販売をしたのだそうだ。以後、数度のパッケージデザインの変更や、トマト・グレープなどの追加を経て、2021年まで販売された。

普段〈瓶入りオレンジジュース〉が飲めなかっただけに、風邪を引いた時にだけ飲ませて貰った〈プラッシー〉の有り難さと言ったらなかった。

だから、風邪を引いて熱が出た時には、どうせなら39℃以上になれと願っていたことを思い出すのである。


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