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評価制度について

組織創り等で講演に呼ばれる際、最も多い質問が「評価制度」のような気がします。
評価制度の導入や改善の動機として、「社員を上手くコントールしたい」「成長を促したい」「より公平に利益を分配したい」等があると思います。
一方で評価制度があっても、「目標を意識してくれない」「評価結果への不平不満の声が後を絶たない」等、課題がある組織も多いのではと思えます。

◇2022年の中小企業白書より

2022年の中小企業白書からの抜粋ですが、人事評価制度がある企業の方が売上高増加率が高い、又、定期的に人事評価制度を見直している企業ほど売上高増加率が高いといった結果がでているようです。
当然かもしれませんが、あったほうが良くて、尚且つ定期的に制度の見直しが必要であることがわかります。

◇弊社の評価の全体像


まず、給与規定の特徴は、役割が上がっていった先で、管理区分とプロ区分の二つのルートがあることです。一般に管理職の方が給料が多くなる組織が多いのではと思いますが、弊社の場合は、管理職にならなくても同等の給与が得られるプロフェッショナル区分を用意しています。実際の運用では、エンジニア、プロジェクトマネージャー、セールスのジョブにおいて、プロ区分の部下なし社員が活躍しています。

目標管理においての特徴は他者評価です。この点については後ほど詳細に説明します。

昇給と昇格の評価項目について、目標管理の結果だけでなく、「勤怠状況」「特筆すべき業績」「健康状態」「理念への共感」「役割基準達成状況」をそれぞれ評価し決定します。理念への共感を測る指標として、取締役4人が年に80回開催する「チーム力向上共育」に20回以上参加することを基準としています。

役割基準達成状況は、職位別の「コミュニケーション」「育成」「成長支援」「チームビルディング」「考える」「実行する」「自己成長」の評価項目に基づいて、どのレベルであるかを評価します。

行動蓄積DBは、過去の評価結果に基づいて、どの行動が評価されるかを集めたものであり、何が評価されるかを確認するためのものです。


◇過去の評価制度の課題


評価制度を長年運用してきましたが、数々の課題が浮上しました。2015年頃には、評価制度はあっても日常的にはあまり意識されていない状態でした。この課題に対処するために、毎月1回の振り返りの機会を設けたことで、劇的に改善されました。

また、理念やビジョンとの不整合といった課題もありました。当初、ビジョンや方針、戦略のレイヤが下に行くにつれ、目標との不整合が生じていました。この課題に対処するため、ビジョンや方針・戦略の決定プロセスに社員を参画させたことで、行動の質が向上し、目の前の仕事と将来の展望がリンクする状態が意識されるようになりました。半年単位のものも含め、日常的にも決定プロセスへの参画が行動に変化をもたらすと考えています。

2019年頃に、自己満足レベルの評価基準を、「他者への貢献」を中心とするものにシフトしました。新しい理念の策定プロセスを通じて、自己満足ではなく「幸福」を目指し、幸福には他者への貢献が必要であるという考えに至ったからです。
同時期に、他者評価の導入により、査定会議の粉砕がなくなりました。



◇他者評価


半年ごとの目標管理の評価を行いますが、自己評価を50点、残りの50点を自らが選んだ5人の同僚に評価してもらいます。その中で1名は直属の上司です。評価者は、目標管理の結果だけでなく、目標管理外の事項や普段の様子から5段階評価を行います。評価の基準は、「貢献」に焦点を当てます。もちろん、評価にフィードバックコメントも添えます。

他人を評価することは大変な作業です。他者評価は、評価権限を移譲することと言えます。新入社員であっても選ぶことができるため、フィードバックコメントの作成には苦労することでしょう。しかし、このプロセスを通じて成長の機会となります。高い評価を受けそうな人だけを選ぶのではないかとの質問を受けることがありますが、評価者として人気があるのは厳格な評価を行う人です。フィードバックを成長の機会として捉え、意図的に厳しいコメントを受けることにチャレンジする人が多いです。

◇評価制度が機能する文化創り


弊社では感謝と承認の文化を長年目指してきました。社長賞、ありがとう大賞、永年勤続表彰など、お互いを認め合い、感謝の念を表す文化があります。この文化の基で、厳しいフィードバックを行う評価制度を導入しています。評価制度を導入する組織が、感謝や承認の文化が根付いていない場合、評価制度が本来の目的である成長促進や動機付けの手段として機能しない可能性があります。

評価制度自体はコンサルタントの助言に従って導入できるかもしれませんが、その制度が機能するためには、文化創りが不可欠だと思います。
弊社の現時点の評価制度について紹介しましたが、成長ステージによってやり方は常に見直しが必要ですから、引き続き見直しながら前進していきます。

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【自社サービスのご紹介】
他者評価の決めては、普段の活躍ぶりを知ることです。
現場クラウドConneのオープンコなミュニケーション環境が、その一役を担っています。
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