現場監督の仕事とは?その2

前回の記事で、現場監督の立ち位置を知っていただけたと思います。
そこで、現場監督は現場をまとめる指揮者と言いましたが、今回はその”まとめる”を掘り下げていきます。

”現場をまとめる”ってどういうこと?


実は、現場監督がまとめることって本当に多岐にわたります。
そこで、ざっくりと何に注目してまとめるかを示す、QCDSEという言葉があります。
それぞれ、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)の頭文字です。
現場でまとめることは、これら5つの指標に大きく分類できるのです。
それぞれの指標が何を示しているか、詳しく見ていきましょう。

▼Quality(品質)
建物を建てる時、同じ金額同じ工期であれば高品質の方が良いですよね?
もちろん、品質を求めれば求めるほど価格は上がっていきます。
雨漏りする家より、しない家がいいと思うのはみな同じです。
限られた予算と工期の中で、できるだけ高品質なものをつくる、ということを目標にしています。

▼Cost(原価)
施主(発注者)からいただくお金は無限ではありません。
契約で決められた金額の中で工事を進めていく必要があります。
ただし、ゼネコンも企業ですから儲けは大事です。
計画不足や、施工の失敗などによる不必要な支出を減らし、いかに儲けを確保するかが大事になります。

▼Delivery(工期)
施主(発注者)からしたら、できるだけ早く建物を建ててもらいたいです。
例えば事務所ビルやマンションであれば、少しでも早く貸し出して賃料を得たいと考えるからです。
ただし、あまりにも設定工期が短すぎると品質面や安全面で不安要素が多くなってしまうため、「適正工期」という考え方があります。
適正工期を守り、決められた日に受け渡しをすることが施工管理では重要となります。

▼Safety(安全)
まずは、現場で作業をしてくれている協力会社の作業員さんが、安全に作業できるよう、環境を整備しなければいけません。
もちろん、法律で決まった整備方法がありますから、それを守ります。
また、工事現場周辺の第三者への安全確保も必須です。
現場の隣にある家が傾いた、土が飛んできて人に当たったなどの問題が発生しないよう、周囲への安全確保も忘れてはいけません。

▼Environment(環境)
現場で解体作業を行っていて、粉塵が舞うと周辺の地域の空気が汚れてしまいます。
泥がついたままのタイヤで現場を出ると、道路が汚れてしまいます。
そのような環境面で不具合が起きないよう、清掃の管理や適切な粉塵の処理、専門業者への委託などを通して、環境に配慮しながら現場を進めていくことが重要です。

ここまで、QCDSEについて解説してきました。
これらはどれが一番大事、これさえやっておけばOK、というものではなく、全てをバランスよく考えることが大事です。
このQCDSEの指標を考えながら現場をまとめているのが、現場監督です。

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