雨が止んだ…

風が吹き雲を追い払っていく
そして待っていたとばかりに
雲の切れ間から
姿の見えない太陽の光が
差し込んで来る

何て美しい光景だろう…
私と彼女はしばし立ち止まり
見とれていた

私はいつか見た絵画を思い出した
宗教画だっただろうか…
天使か神が舞い降りる姿を描いた絵だ

誰の描いた何という絵なのか
生憎あいにくとそんな事はてんで不得手えてだ
君は知っているだろうか…

でも…
荘厳そうごんな場面を描いている
それくらいは私にも分かった

今、目の前に広がる光景は
まさしく荘厳なものだった
君と二人でいる時に
こんな光景に出会えるなんて

これは神の啓示だろうか…？
そうに違いない
私は心にそう言い聞かせた

今こそ彼女に打ち明けよう

私は隣に佇たたずむ
愛する人の肩に
そっと手を伸ばし
自分の方を向かせた

私は美しい光景の映り込んだ
彼女の瞳を見つめながら
こう言った…

いつ言おうか迷っていたんだ
でも…
あの空が私に勇気を与えてくれた
今…告白するよ
聞いて欲しいんだ

君を愛してる…
私と結婚してくれないか

私の告白に彼女はそっと頷いた
私は喜びの感動に震え
彼女を力一杯抱きしめた

ありがとう…
そして
これを受け取って欲しい
私の君への愛を込めた
誓いのリングを…

きっと君に似合うと思う
受け取って欲しい

私は…
神々の降臨こうりんの予兆の様な
あの雄大な空に誓うよ

あの荘厳な空よりも
深く広く君を愛そう…
永遠に…

これは君と私だけの
二人の誓いの儀式だ…

あの空が証人だよ

君に対して誓おう
私の永遠とわの愛を…