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1073_死んだ魚の目

無用に上司に詰められた場合には、明らかにやる気をなくして死んだ魚の目をするようにしている。

そうすると、上司は「不必要な仕事をさせて、部下のやる気を削いでいるんじゃないか」という気になって、途端に態度を軟化してくる。

だがこれは、普段から死んだ魚の目をしていると効果はない。ただ単に覇気がない奴だと思われる。

普段は良いリアクションをしておいて、フットワークが軽い感じを出しているのに、ここぞという時に、明らかに態度を変えて、死んだ魚の目をして、ため息をつく。

そうなると、上司も「あれ」っていう感じで(もしかして、俺は無理なことを部下に強いているのかな)という気を起こして、自然と自分を顧みてくれる。(まともな上司であればの話だが)

今は人材不足の状況なので、部下に辞められると仕事が途端にまわらなくなる。掃いて捨てるほど人がいた時代とはもう違うのだから。

よくよく考えてみると、中間管理職ほど苦労の多いものはない。上からはプレッシャーをかけられ、下からは突き上げられる。それなのに、管理職手当がつく分、残業手当はつかない。

メリットが感じられないまま、いつのまにか中間管理職をさせられて、やれハラスメントだ、やれアンガーマネージメントだ、と研修なんかで横文字を散々詰め込まれた挙句、部下の機嫌を伺いながら、チームをまわさないといけない。

部下を上司を選べないと言われていたが、最近は上司も部下を選べるとは限らない。贅沢言うな、と人事部からお叱りをくらう。若い奴が出勤してこなくなったら、大目玉だ。

部下ながら、大変だなと思いながら、死んだ魚の目の眼差しで上司の顔を眺める。

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