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Xジェンダーのシングルマザー、キンキーブーツで大号泣

こんにちは。
ジェンダーレス母ちゃんの中村 炎です。

*

今日は、先程観てきた特別上映(舞台版)
【キンキーブーツ】
の感想です。

ちょっと長いですが、
この気持ちを忘れないうちに、書きます。

*

キンキーブーツは突然に


スマホを眺めていると、
とんでもないものが目に入った。

「『キンキーブーツ』最高だった!
特別上映に感謝!
上映期間延長に感謝!また観たい!」


友人の投稿に、心臓がドクンとした。


なにっ!?キンキーブーツ!?

キンキーブーツが映画館で観れるの!?


*

憧れのキンキーブーツ


キンキーブーツの初演は2012年。

私が病気の治療→不妊治療に明け暮れていた年だ。


その後は出産し、育児に追われていて、
なんだかすごい舞台があるらしいと聞いたのは、
何年も経った後だった。

多分、三浦春馬さんと小池徹平さんが
日本版公演を大成功させた頃だったと思う。


当時の私は、
何よりも仕事が大好きで、
子供を産んでも仕事を続けたいがために、
罪悪感から、仕事と子供以外に費やす 時間やお金は
"贅沢"として、自己犠牲をしまくっていた頃だった。


別に、嫌々 自己犠牲をしていたわけじゃない。
仕事のため、子供のため、と、
当たり前のように自己犠牲していた。


たまーに観る映画が、なによりの贅沢。

だから、
観劇なんて、贅沢中の贅沢だった。


*

ミュージカル俳優を志した青春時代


noteではあまり触れてこなかったが、
私は、ミュージカルの大学を出ている。


20年前、高校生の私は、
ミュージカル俳優に憧れた。

共にミュージカル俳優を志す仲間たちと過ごした青春時代は、かけがえのない宝物だ。


私はその後、今の職種に出会い、
道を大きく横にズラして生活しているが、
ミュージカルと向き合うと、
今も心は あの頃にタイムスリップしてしまう。


それでも、
自己犠牲バンザイ!(無意識)
子供と仕事が命!!!(こっちは有意識)
だった私は、
この頃ほとんどのミュージカルを見逃してきた。


*

自己犠牲!?ヤベェなにそれ!


自分が自己犠牲をしてしまっていると気がついたのは、つい最近のことだ。

仕事と子供で胸いっぱいで、
自分の趣味や、好きや、特技に、時間や資金を割いてこなかった。

観たかった舞台は、もう返ってこない。


かけがえのない仕事、
かけがえのない子供たち、。
それは私にたくさんの幸せをくれた。

でも、それだけでは、自分の成長曲線は
驚くほどにゆるやかだった。


仕事や子供は宝物だ。

でも、それとは別で、

自分の心を潤すものが、

                人生には必要だった。

自己犠牲は、もうやめると決めた。


*

自己犠牲、やめた!…けど…


カッコつけて、自己犠牲しないと決めたのに、
実際は まだまだ、舞台までは遠かった。




…お金がなかった。

既に離婚を視野に入れて倹約生活をしていた私に、
舞台のチケットは、雲の上の存在だった。


こうして結局、観劇には到底手が届かず、

興味が無い振りをして、
情報をシャットダウンしていた。


忙しい私には、それが丁度いい。

知らんぷりが、私を救うのだ。


*

飛び込んでしまった『キンキーブーツ』


うっかりしていた。

ミュージカルなんてもう興味が無いつもりだったのに、
読んでしまったのだ。


映画館で、キンキーブーツが観れるって。


たった3000円で、大画面で、
キンキーブーツが観れる。


舞台のチケットの1/3以下の値段だ。


それでも、離婚してすぐの私には、
3000円が大金に思えて、
何度も頭を横に振った。


*

神様の言う通り


財布の整理をしていたら、
ショッピングチケットが出てきた。

今月末までに2000円。
溶かしてしまうには、勿体無い額だった。

期限が先のチケットを合わせたら、

払える。3000円。


…神様からのプレゼントか??



はやる気持ちを抑えられなくなってきた。



今日は、市役所に、離婚の後処理をしに行く予定だった。

半日かかると思っていたお役所仕事は、
なんと1時間で終了。



…行ける。
どうしよう、行ける。。




気が付くと、
特別上映をしている劇場へ向かっていた。


窓口で、
前列のセンターの席を購入した。


なるべく近くで、
食い入るように観たかった。

映像版でも、舞台のように、観たかった。


*

見終わって。


自分でも驚くことに、
一曲目からもう泣いていた。


あの頃夢に見たミュージカルの世界。

ブロードウェイのミュージカルに
下手くそなんか一人もいない。

声の出し方1つに心が震え、
手先の軌道1つに、魂が震えた。


キンキーブーツ。

ドラァグクイーンが紡ぐ、人生のお話。

ローラやAngelsたちの生き方が、
あまりにも自分に誠実で、眩しかった。


30代半ばを過ぎるまで、
本当の自分を、これまた無意識に隠してきて、
今になって、随分遅咲きで、
自分がXジェンダーだと気づいた私には、。


それでも、
会社にも家族にも、親友にさえも
カミングアウトできずに
こんなところで自分を慰めている私には、。



最後まで涙が止まらなかった。

神様ありがとう。

本当に観れて良かった。

今、観れて良かった。。


*

ローラはこう言った。


6つのステップ

1.真実を追いかけること

2.新しいことを学ぶこと

3.自分を受け入れ、他人を受け入れること

4.愛を輝かせること

5.プライドを掲げること

6.自分が変われば世界が変わる

こんな風に、みんなが生きられたら。

もっともっと、優しい世界を、
もっともっと、虹色に輝く世界を、
もっともっと、自分らしくいられる世界を、
迎えに行けるんだろう。


心に刻んで、自分に誠実に生きようと誓った。


自分語りな長文、
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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