プロローグ(自己の喪失)②
中学を卒業すると、トラブルがあった同級生とは別の高校に通うことになったが、一度身に付いた癖はなかなか取れなかった。
高校ではほとんど喋らなかった。
お昼休みはいつも机で寝てごまかした。一番辛かったのは文化祭や体育祭などの全体行事。一緒に過ごす友達もいないし、かと言って一人でずっと歩き回る勇気もなく、体育館の2階の窓際で寝転がっているのを野球部の先輩に見つかって、孤独に恥ずかしさを覚えたこともあった。ほとんど喋らないのに、チームスポーツの野球部によくいれたなと、今思えば不思議