神は死んだ
奴隷道徳
人は全員「絶望」にいたる
超人思想
力への意思

など、
人の心をえぐり、刺さるような
すごい言葉を使って生き方の哲学を示す
ニーチェ

誤解をよんだり
賛否両論を巻き起こしながらも
現代でも多くの人に影響を与えるニーチェ

特徴的な内容をピックアップしていきたい

現実に目を向ける哲学

哲学は「意味」や「本質」を考える学問であるが
ニーチェはそれを否定し

「見たり触れたりできない意味や本質ではなく
現実の存在についてもって向き合うべき」

という実存哲学を提供していった

人間だってただの物質なのにそこに意味などをつけていく
ということを繰り返していて

見たり触れたりすることのできる世界（現実世界）に
人間が勝手に決めた意味や解釈でできた世界（背後世界）
が覆いかぶさっている

とも言っている

だからこそ
社会から与えられた人生の意味
に囚われないことの重要性も解いていく

しかし、ニーチェのすごさはここにある

これだけでも強烈なメッセージだが
「社会から与えられた人生の意味」
に囚われないようになっていくと
ニヒリズム＝虚無主義
に陥ってしまうとしている

そして、その結果
末人という
「なんの目標も夢もなく、トラブルを避け
ひたすら時間をつぶすだけの人生を送る人間」
になってしまうとしている

この辺の発言は
より現在のわれわれの生活の方が実感している気もする

神は死んだ

昔は宗教があり
神を誰もが信仰していた時代は
誰もが人生の意味があることを信じていた

神が人間を作り
宗教の価値観やメッセージがあることで
人生の意味は当然あることを誰もが思えていたのである

しかし、
文明が進化していく中で
神様を信じられなくなっていくのが当然の流れだが
それを見てニーチェは
「神は死んだ。神は死んだままだ。そして我々が神を殺したのだ」

と発言をしたのだ

こういった目に見えない価値観や意味をつけている
人生や宗教などはなくなっていくことをニーチェは危惧して
その結果、ニヒリズムに陥り、末人になっていく
という未来を予測したのである

奴隷道徳

そして、さらにニーチェは強烈なメッセージを発信していく

道徳
という人間が大切にすべき価値観は
奴隷にされた弱い民族の
「ルサンチマン＝嫉妬」が生み出した
としたのだ。

そして、キリスト教が
能力的に優れた人より
大人しくて弱そうな人の方が
善い人間に見えるように考え方
価値観を植え付けていったという
強烈な意見を出していく

さらには
「嫌な目にあっても怒らずに
受入れることを美徳するような道徳観」
をニーチェは
奴隷道徳と呼んだのである

それは
本来
「こういった思いはしたくないし
自分も対等に人として扱われるべきだ」
と思っているのに

それをあがらえないから
「強いのが悪く、弱いのが善い」
と考えたりして
自分が不遇の状況に意味をつけて
この状況を受入れているのは
本来の生を発揮していない
という考え方を示したのだ

超人思考になるために

このように
ニーチェは
世の中が信じている価値観を
真向から否定する刺激的なメッセージを出していく

そしてニーチェは究極の仮説を出して
どうやって生きるべきかを考えていく

それが
人生が全く同じサイクルで繰り返していく
永劫回帰という概念を作る

我々は基本的には
人生ははじまりと終わりがあり
人生が終わるタイミングに向かって生きていく

だからこそ未来に意味があり
そこに向けて人生の価値を作っていくことが
ほとんどである

しかしニーチェはそれを否定し
永劫回帰だったら
人生に終わりはなく、全く同じサイクルが続くとしたら
未来と生きる意味はなくなる
という状況設定をした

ニーチェは
とにかく意味はない中で
どうやって生きるかをテーマにしているからこそ
こういった仮説を設定し考えていったのである

ニーチェが考えている実存哲学は
現実の存在をしていることしか認めていかない

だからこそ
・すでに存在していない過去の中でいきること
・いまだ存在していない未来の中で生きること
・脳内で生み出された世界の中で生きること
・他人から与えられた価値観の中で生きること

は現実の世界では生きていないのである

だからこそニーチェは
現実に存在する今の中で、現実に存在する世界と自分を
自らの意志で「よい」と肯定して生きること
の大切さを発信したのである

この
永劫回帰
は究極の設定であり
フィクションの設定だけど
本当に現実の世界で生きる大切さを伝えるために
究極の仮説をもって、現実の世界で生きていないことを
否定していったのである

そしてこの
「いま、この瞬間を力強く肯定して生きよう」
という強い意思が必要であり、そういった意思を持つ人を
超人
と呼んだのである

まとめ

ニーチェの考えをまとめる

・私たちは世の中の空気や他人の価値観を押し付けられ、その価値観と比較をして、マイナスな感情を生み出し不幸になっていく

・この価値観や意味は誰かが作ったものであり、実存哲学から考えると人生の意味や誰かの価値観などはないものである

・この価値観や意味から解放されることが大切だが、そうすると意味がなくなり人間は虚無人間となり、末人というダラダラと過ごす人になってしまう

・この状況を受入れて、意味や価値観を求めるのではなく、「いま、この瞬間を自分の意志で肯定する」ことこそが幸せに生きる方法である

としたのである

極端な意見はたくさんあるけれども
考えは的を得ていることがたくさんあり
まさに、今の時代でも影響を与える哲学だと思った

これからもたくさん学んでいきたい！！

本日は以上！！