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南極に行ってきた話

今から2年前、友達に勧めてもらった「宇宙よりも遠い場所」という女子高生4人が南極を目指すアニメを見た。そこには数々の人間ドラマや想像を超える世界があり、僕はいつか南極に行きたいと漠然と思っていた。

あれから2年が経った2024年、僕はアルゼンチンのパタゴニア地方を旅をしていた。出会った旅人からアルゼンチンのウシュアイアから南極行きのフェリーツアーが出ていることを知った。

南極ツアーについて調べてみると、南極大陸を船から見るだけのものから上陸できるもの、船の設備もツアーによって違い、値段は安いもので65万円から高いもので200万円以上とピンキリでだった。
正直あまりの値段の高さに驚いたが、この先南極に行くチャンスは2度とないと思うと僕はツアーに参加しない理由がなかった。

僕は南極大陸への上陸がマストだったので、上陸できるツアーの中でも設備が最低限で安いMV Usyuaia という船を選んだ。


MV Usyuaia号

【南極上陸ツアーの詳細】

▫︎ツアーの費用(MVウシュアイア)

・ツアー参加費4200$
・保険代120$
・チップ代150$
合計:4470$(約67万円)

▫︎ツアー内容

1日目:ウシュアイアを出航
2日目:ドレーク海峡
3日目:ドレーク海峡&南極大陸上陸×1回(午後)
4日目:南極上陸&ボートで南極海の探索×2回(午前・午後)
5日目:南極上陸&ボートで南極海の探索×2回(午前・午後)
6日目:南極上陸&ボートで南極海の探索×2回(午前・午後)
7日目:南極上陸&ボートで南極海の探索×1回(午前)&ウシュアイアへの航海
8日目:ウシュアイアへの航海
9日目:ウシュアイアへの航海
10日目:ウシュアイアに着港

▫︎船の設備

・朝昼晩の3食+軽食(15時ごろ)
・コーヒー、ティー、フルーツ24時間食べ飲み放題
・売店
・図書館

▫︎部屋の設備

2人部屋、トイレ、シャワー

▫︎船でのコンテンツ

・映画上映
・南極に関する講義

▫︎その他のオプション

・Wi-Fi(500MBで15ドル)
・アルコール

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【南極を訪れてみて…】

僕らは少年少女のように希望に満ちていた。

乗船日当日、同じくツアーに参加する仲間たちが乗船。
アメリカ、ドイツ、中国、イスラエル、インド、カナダ、シンガポールなど様々な国人が20代から最高齢は81歳まで乗客がいた。

出航の時、乗客全員が少年少女のように目がキラキラ輝いていた。何者にもなれる希望に満ち溢れていた。僕も彼らと同じようにキラキラ輝いていたと思う。

南極に行く時に通らなければならないのは世界最恐の海峡のドレーク海峡。ドレーク海峡は世界でもっとも荒れる海峡で、波が6mを越え、本当に地獄のようだった。

そんな地獄を超えた先にあった南極大陸。
そこには画面でしか見たことのない世界が目の前に広がっていた。

海に流れる数十mを超える大きさの氷河や大陸を覆い尽くす大迫力の氷河、干渉されずに自由に生きる動物たち、映像で見た世界、映像の中の世界だったと思っていた世界が、たしかに存在した。

漂流する氷河
圧巻光景
野生のペンギン
岩肌とそれを覆い尽くす氷河
漂流する氷河で休むアイカ

南極には人間が作ったものが何もない

ここには人工物は本当に何もない。あるのは自然が作り上げた地球本来のありのままの景色。南極においては僕ら人間が異物のような存在だった。
人類がこの地で生活しようとしても1日持てばいいだろう。それほど人間がちっぽけに感じた。

元々の地球ってそもそもこういう世界だったんだろうなって考えていた。
見慣れた風景もたった数百年で変わっただけで、本来の景色があったはずだ。

南極は地球上にあった

南極の景色を見て、ウユニ塩湖やナミブ砂漠のような体の芯から震え上がるような感動はなかった。でもまた違った感覚だったように感じる。
見渡す限りの青と白の世界、芯まで冷える寒さ、その大地に本能のままに生きる動物たちがいて、天候で大きく変わる環境。五感で感じるにも足りない圧倒的な大陸が宇宙よりも遠い場所に、たしかにあった。
映像でしか見たことない世界が僕らの住む地球にあった。
それを確かめれただけで、この旅には意味があったと思う。

喧嘩し合うアシカ
落ちていた氷河
漂流する氷河で家族会議をするペンギンたち。
ボートで探索


最後に

ツアーの中で有志でで南極に海に飛び込める時間があった。
もちろんだが、南極の海ということもあってかなり寒い。

それでも1人また一人と海に飛び込んで行き、「まじか!!」って思ったのは白髪の70歳近いおばあちゃんも容赦無く海に入っていってた。

「もういい歳だから」って声が聞こえてくるような歳なのに、まだまだ若くやりたいことに忠実に、実行する。正直めちゃくちゃかっこいいと思った。

僕も何歳になっても歳を言い訳にせずにチャレンジできる人間でありたい。

海への飛び込みタイム
ツアー最終日の夕焼け


この10日間で経験したことは僕におってかけがえのない思い出になった。
南極大陸に行きたいと思っている人がいれば、僕は全力で背中を押してあげたい。


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