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un:sendが魅せたこれからのメルボルン

2024年もありがたいことに日々逞しく生きさせてもらってます。
正月明けてすぐに、Animals Dancingでプレイさせてもらう貴重な体験をでき、昨年以降多くのクラブやDJバー、レストランでプレイさせてもらいDJのみで生活とするという自分がこの世界に飛び込んだ時には想像もしなかった事が起きています。
最近見た夢ではサッカーの試合中に何度も決定的なミスを犯し続け泣きそうに項垂れているとチームメイトから「辛いのはわかるけど、くよくよするならさっさとピッチから下がってくれ」という言葉で目が覚めました。それくらい自分が生きている世界が過酷だけど刺激的なんだと思います。

振り返ると2023年は自分がオーストラリアに渡った目的でもある、日豪の音楽シーンを繋げるという夢が遂に形になり始めた年となりました。

3月には僕をメルボルンローカルと繋いでくれた1人であるKabutoのメルボルン/シドニーのツアーを友人とブッキングし、そして4月には2023年に青天井でシーンを駆け上がっていったKia、10月にはエレクトロニックミュージックの最先端を突き進むReptantという2人のメルボルンローカルの日本公演をWOMBで実現することができました。そして僕自身も東京やソウルでプレイすることができ、自分がこれまで思い描いてきた事を形にする為の強い覚悟を決めることができたと思います。

また2023年の後半からはメルボルンの新しいベニューであるQQQ st Parkで、箱を運営していくことを側で見て、そこで出会った新しいクルーと自分達の場所を創り上げることの面白さを学び、改めて人生は一生勉強と修行なのだなと感じました。

そして、年末年始はKiaとメルボルンローカルでTemporalcastKasun、そしてPaper-CutsDylanらが中心となって開催した新しいフェスティバルであるun:sendに、QQQクルーと共にフードスタッフで参加してきました。(QQQは週末はクラブですが、昼間はおにぎりを食べれるカフェとして営業していてメルボルンで本格的な和食を食べれる貴重なスポットですのでぜひチェックくださいまし!)

un:sendのラインナップは、海外ツアーを行ってきた主催者や出演者達がその時に出会った海外アーティスト達をゲストに招きつつも、ローカルアーティストをメインにする素晴らしいプログラムで、全てのアーティストが異なるジャンルやスタイルを披露していましたが一分一秒たりともフロアから離れる暇がないほど完璧な流れだったと思います。

そして400人程のオーディエンスは友人やその知人など招待制であり、本当に音楽が好きで新しいジャンルやスタイルを受け入れる事のできる彼らの懐の深さがフロアの雰囲気を次のレベルまで持ち上げた事は間違いありません。

会場の構成は野外のメインフロアが朝から3amまで、そしてそこからは50mほど離れたコテージに会場を移し朝までノンストップで続き、1日で野外フェスとハウスパーティーを味わえる体験ができます。またメインフロアの横には池がありそこで泳ぐこともでき、更に手が届きそうなくらい星が近く感じる夜空は圧巻で思わず「生きててよかった」と口にしてしまうレベルでした。

前述の通り、イベントのラインナップや会場のホスピタリティなどの設備は素晴らしくオーガナイズされており、このフェスティバルが20代半ばから30歳前後の運営とオーディエンスで構成されていた事に心から拍手を送りたいと思いました。思い思いに踊っている人、座ったり寝転んだりしておしゃべりに興じる人、池で泳ぐ人、その空間を創り上げた運営側の人の姿は正に尊く、彼らがシーンの未来を紡いでいくのだなと遠くから眺めながら物思いに耽ってしまった程です。

メルボルンでは2023年にInner Varnikaという長らく続いていたフェスティバルが終了し、今後このun:sendがメルボルンシーンを引っ張っていくフェスティバルの一つになることは間違いないでしょう。僕よりもさらに上の世代から繋がってきているこの音楽シーンにおける新しいパートに共に生きる体験ができている事は本当に貴重であり、それをサポートしてくれている人々との出会い、そして彼らと日々切磋琢磨できる環境はこの上なく刺激的で自分がまだまだ人間としても成長できることを感じさせてくれます。
2024年、そしてさらにその先にあるメルボルンのシーンをこれからも眺めつつ日本の皆さんに少しでも伝わるように言葉やパーティーなど形に残していければと思います。


Genki Tanaka
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