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「郷土史碑探訪録」はじめがき

 突然ですが、私はオープンワールド系のゲームで収集物を集めるのが好きです。世界の各所に散りばめられたテキストやアイテムを収集することで見えてくる世界観、フレーバーテキストによって解像度の上がるストーリー、今も様々なゲームで楽しませてもらっています。

 さて。オープンワールドといえば、よく比定されるのが現実世界のお話。よく地方に出かけると、田園風景の中にポツリと佇む石碑や自治体に設置された説明板がそこここにあることに気が付くと思います。

↑山の上に立つ説明板
↑田畑に囲まれた無人の神社の説明板
↑多摩地方の幹線道路脇の史碑
↑京都市中にポツリとある石柱&説明板

……これってフレーバーテキストじゃね!?


 もちろん、巡ったからといって実績のようなものが解除されたり、報酬が出るといった類ではないのですが、その土地の郷土史の解像度が上がるのは間違いありません。ちなみにこういった史碑や説明板などは田舎ばかりに置かれているものではなく、画像の通り京都や東京などの都会の中にも随所に点在しています。その佇まいの簡素さ、もっといえば地味さも相まって見過ごされていることが多々あると思います。

 しかし、だからこそ郷土史碑は奥深い。私たちは教科書で学ぶ大筋の歴史=大河を知っています。そこに補填するように、こういった史碑から枝葉の出来事を付け足していくと、白黒の歴史に色がついていく感じがしませんか!?

 この「郷土史碑探訪録」では、郷土史碑はもちろん、すっかり寂れてしまった神社や廃寺、はたまた城跡や館跡などの地形的な分野、さらには江戸~昭和期の庶民の旅行事情に関連する交通系の歴史にも絡めつつ、郷土史を掘り下げていこうと考えています。

 投稿する記事のサイクルとして、
①実際に現地に赴き写真を交えつつ、ネットで調べた事前情報を基に現場の様子を綴る「訪問記」
②写真を基に図書館へ赴き史料・資料を探し、文献上の当該地点の情報を纏めつつ、謎があれば推論を載せる「文献抄」
③いくつかの史跡を辿った上で、別の史碑と事柄が関連する場合は、改めて大筋の歴史的事象を辿りつつ複数箇所の史跡・史碑を纏める「探訪録」
 以上のサイクルを繰り返していこうと考えています。現地訪問と史料探索は纏めるべきかとも思いましたが、それだと更新頻度が劇的に低くなりそうなので、あくまでもタイムラグが少なくなるように、何個かの事柄を並行して作業できるようにこのような形とさせていただきます。

 いつかこの記事が、生まれ育った故郷を知るための道標として使っていただければ、と思いつつ、後は歴史好きの私の行動の記録として、この情報が氾濫する電子世界にひっそりと佇む一本の史碑となれば、という思いを書き記しつつ、はじめがきとさせていただきます。

令和5年3月吉日

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