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[UFC292] 迫るバンタム級タイトルマッチ

現バンタム級チャンピオンであるアルジャメイン・スターリングがタイトルマッチにてショーン・オマリーの挑戦を受ける。

アルジャメインはこれまでチャンピオンとしてトップレベルのファイターの挑戦を受けながら、腰に巻いたそのベルトをしっかりと守り続けてきた。

チャンピオンとしての肩書きに疑いの目を向けられることもあったけれど、アルジャメインはこれまでの防衛戦の中でその正しさを証明してきている。

そんな王者・アルジャメインは今回、バンタム級の新スターとしてランキング街道を突き進んできたショーン・オマリーを相手に防衛戦繰り広げることになる。

精度の高いストライキングで華麗なKOを生み出してきたオマリーと、持ち前のレスリング技術で多くの猛者をコントロールしてきたアルジャメイン。

未知が詰まったオクタゴンの中で一体どんな化学反応が生まれるのか。

王者・アルジャメインが優勢か?

オマリーは恐らく一発でアルジャメインを仕留める武器を持っている。

しかしアルジャメインにはそういった鋭利な武器はない。

ピョートル・ヤンとも派手な殴り合いを繰り広げたオマリーの打撃は当然アルジャメインにとっては脅威となってくるだろう。

けれどアルジャメインには常にオマリーの自由を奪う準備がある。

蹴り足キャッチや片足タックル、四つで組んでのケージレスリングなど、恐らく多くの組み展開でアルジャメインはオマリーを苦しめることに成功するだろう。

バックコントロールやトップコントロールにおいて抜群の安定感を見せるアルジャメイン。

その得意な形に入ってしまえば、オマリーがそこから抜け出すことは難しくなるはずだ。

そうなればラウンドを失うだけでなく、スタミナ・メンタルの部分でも不利になる上に、サブミッションでフィニッシュ出来る引き出しを多く備えているアルジャメインが極められる機会を多く得ることにもなる。

なのでオマリーはアルジャメインを寄せ付けない距離から打撃を当てつつ、早いラウンドでビッグヒットを奪う必要がある。

危険な射程

早いラウンドの内にクリーンヒットでダメージを稼げず、アルジャメインに警戒心を植え付けることができれなければ、オマリーは次第に厳しくなってくるだろう。

しかしオマリーにはその射程の長さと思い切りの良い打撃があるので、アルジャメインを一瞬で葬り去ることが出来る可能性がある。

アルジャメインはUFCのチャンピオンなので当然トータルで優れたファイターである。

しかし優れたストライカーとの勝負では打撃のやり取りで危うい場面が目立つことが度々ある。

パンチの打ち方が乱れて返しの攻撃に対するリアクションが雑になったり、安易に踏み込んでコンビネーションをもらった際の処理が甘くなったりと、もしヒットしていたら終わっていたかもしれないような場面が5Rの中で散見されたりもする。

また、アルジャメインはストライカーのプレッシャーを受けると下がることが基本的に多くなるのでケージ側で攻撃をまとめられてしまうケースも多い。

そういった中で今回ぶつかるオマリーには、これまでのチャレンジャーの中でも「当て感」という部分でより優れているところがあるように感じる。

なのでもしかすると、これまでアルジャメインが危なかったで済んでいた部分が致命的なワンシーンとなることがあるかもしれない。

これまで行われた3度の防衛戦で戦った誰よりも長いリーチを持ち、当て感の良さと予想外の攻め手も見せるオマリーはアルジャメインにまた違った世界を見せるのではないかと思う。

なのでアルジャメインはスタンドの時間をなるべく短くする必要がある。

もしアルジャメインがスタンドに引き摺り出されるようなことがあれば、オマリーは楽に試合を進めてしまうだろう。

しかしアルジャメインのスキルを持ってすれば、オマリーの足りないところが何処なのか試合を通して示すことが出来るはずだ。

なので様々な展開がありながらも、やはりアルジャメインが有利であることに変わりはないのではないかと個人的には思っている。

いよいよ決戦が近づくバンタム級のタイトルマッチ。

4度目の防衛か、それとも新王者の誕生か。いずれにせよ大きな注目が向けられる。

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