Re:脚本ユニット 一ノ瀬姉妹 最終話 リスペクト 391字
ふたりだからこそ作風の幅が広がり、脚本業3年目の今では、舞台やゲームのシナリオ依頼まで舞いこむようになった。
「単独依頼してくるけしからんヤツは、切っといて。そいつとは100パー、話かみ合わない」と伊織。
次の仕事は、原作アリの作品だ。
「純ちゃんがどう料理すんのか、見物だなー。いっつもいやらしいとこにフォーカスすんじゃん?」
ゾクゾクすると、伊織は身震いしてみせる。
最大の賛辞として受けとっておくことにする。
浅く広くの伊織に対して、深く読みこむスキルに長けているとまで言ってくれる。
改めて考えると、一ノ瀬姉妹はいいバランスなのかもしれない。
***
「純ちゃんにだけ、いいことを教えてあげよう」
「なんでしょう」
「表現者は、世の中を欺いてナンボ、だよ?」
純の元妹・現パートナーは、とびきりキュートな笑顔でウインクをする。
世界を欺きつづけるため、一ノ瀬姉妹はめでたく屋号継続と相成った。
(おわり)
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