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トレバー・ノアは本物だ

米国の政治風刺・コメディー番組「ザ・デイリーショー」の大ファンだ。寝る前にこれを見て、大笑いしてから眠るのが日課になっている。長年ホストを務めていたジョン・スチュワートの後を継いだのが白人と黒人のハーフであるトレバー・ノアだ(それも早4年前のことだが)。年若いトレバーにジョンの後が務まるのかと思いながら当初は見ていたが、そのホストぶりを数回見た後、この人は本物だと思った。

そのトレバーの自伝をこのほど読了した。この人はやはり本物だ。私の目に狂いはなかった。この自伝は一読の価値がある。南アフリカで生まれた白人と黒人のハーフ。異人種間の性的関係が犯罪だった時に生まれ、アパルトヘイトが終わろうとする時代に育ったトレバー。どれほど特異かつ過酷な経験を彼は強いられたか。自伝を読むとコメディアンになるべくしてなった理由がよくわかる。平易な英語なので週末に読むにはちょうどいい。

この自伝の中から印象に残った言葉を原文のまま引用したい。

まずはこれ。
That, and so many other smaller incidents in my life, made me realize that language, even more than color, defines who you are to people.
トレバーはさまざまな人種や民族の子供たちが通う学校で、肌の色より言語のほうが大事であることを悟るのだが、それを表現した文だ。

次にこれ。
You do not own the thing that you love.
トレバーは小学生にしてすでに、自分と愛するものとの関係について、とても大事なことを学ぶことになる。そのときの出来事が人間関係に対する考え方を形づくることになったと語っている。

さらにこれ。大人になったトレバーはある経験からこう悟っている。
Relationships are built in the silences.
はっとさせられた。私の欠点を突かれた気がした。

きょうもトレバーを見てから眠ることにしよう。





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