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やりたいことが多いフェーズで”次に何を開発するか”の悩み方

こんにちは。
Luupという会社でユーザー向けアプリのプロダクトマネージャーをがんばっています。Genyaです。

2023/10/25、株式会社助太刀様主催の「事例で学ぶプロダクトマネージャーのお仕事 vol.1」に登壇してきました。

当日の様子。オフラインとオンラインのハイブリッド開催でした。

話した内容について、一部このnoteでもまとめたいと思います。

タイトルは『やりたいことが多いフェーズで”次に何を開発するか”の悩み方』です。

※ 最初は「考え方」というタイトルにしていたのですが、私自身がここ数ヶ月でウンウン悩んでいた内容をそのまま書き起こしたこともあり、「プロダクトマネージャーの仕事って悩ましいよね」という想いを込めたものにしてみました。

登壇内容

登壇資料

当日の資料はSpeakerdeckにupしています。(一部 当日にご参加いただいた方にのみ公開した情報があります)

以下、当日話したスライドをいくつか抜粋してご説明します。

話したテーマ

"次に何を開発するか"を決める。プロダクトバックログの評価や、開発ロードマップづくりに近傍するようなテーマでお話させていただきました。
Luupでも次なにを開発していくべきか、整理と判断に頭を悩ませていた時期があり、私の頭の中をみなさんとシェアしていくそんな内容になっています。

何故悩むのか?

そもそも何故悩むのかについて。
プロダクト開発において、"やりたいこと"というのはたくさんありますし、その性質もバラバラで、一緒くたにして取り扱うことが難しい場合もあります。そして、やりたいことはなかなかなくならないというのも厄介です。
むしろ増えていきますし、頭の中がクリアになる日が来ることは少ないかなと思っています。

判断の定説と陥りがちな思考

定説的には、コストが小さく・インパクトの大きいものから着手していくという考え方があります。RICE法Scorecardなど世の中には様々なフレームワークがあり、これらを活用することによって投資対効果の良い、有望な案件を数値化することにトライしている会社も多いのではないでしょうか。
一方で、それだけではうまくいかないと感じている方も少なくないのではないかと考えています。

実態は複雑なことが多い

インパクトをつけるにあたって、例えば"インパクト5"と"インパクト4"の優劣を比較することは容易です。大きい効果が期待できそうなインパクト5の施策の優先度は必然的に上がります。
しかしながら、"インパクト3"と"インパクト3"同士の比較になると判断に迷うことはないでしょうか?
切り捨てるほどでもない、"中ぐらい"の施策が多く並んでいるとき、それらの貢献の仕方が違うと評価が難しくなります。( 貢献の仕方・領域にウェイトをつけて傾斜を掛けるという方法もありますが、傾斜を掛けたあとにまた同列のインパクトに並び始めるものが生まれるというのもあるあるです)

そうなった場合には「コストが小さいものからやれるといいよね」という話になるかと思います。
コストという概念も実際の現場では非常に複雑で、「リリースまでの開発コスト」「リリース以降の運営やメンテナンスにかかるコスト」「この機能を出すことで軽減されるコストやリスク」などなどをひとまとめに「コスト」と評価することは、ざっくり見積もるだけでもかなりの手間がかかります。

そんなことに頭を悩ましているときに「やらないことを決めるといい」と考え始めるのですが、「やれるといいよな」と気持ちが生まれてしまうことも常です。

本来的には納得感と意思を持ちたい

頭を悩ませていると、「順番をつけられている状態」を作ることよりも、納得感と意思を持つことが出来ていることの重要性に気づきます。

そもそも「Aをやる」「Bはやらない」の選び方・残し方には多様なパターンがあり、付随するメリット・デメリット・リスクも様々です。
これらが複雑に絡み合っていることを前提とした上で、我々は今このスタンスを取りに行くんだという意思を持てることに重きを置いて、向き合っていくことが大事なのではないかと最近は思い始めています。

そのためには、スタンスがはっきりするような「光り輝く案件」を見出すことができるかがひとつ重要なポイントになります。
「AよりもBの方が1ポイント高い」ではなく、絶対的にこの案件が良いと思えるという評価を、自分の中でつけられるかどうかが意思決定において効いてきます。

光り輝く案件を見出すフィルタ

光り輝く案件をシャープにフィルタリングするために、私が大事だと思っているいくつかの観点をご紹介します。

大きくは以下3点です。
・領域:どの領域にアクセスすることができているのか
・時間:どのタイミング・時間の枠でアクセスするべきか
・主体:アクセスする主体が誰(どのチーム)であるべきか

組織や事業・プロダクトの性質によっても様々なフィルタが考えられるかと思いますが、これらの問いに一つ一つ向き合い、やるべきことを吟味していくことで思考がクリアになり、意思をもった判断が少しずつできるようになっていきます。

自身への問いかけ

イベント当日ではLuupが抱えている事業の課題を部分的に紹介しながら、事例をもとに少しだけ具体的にお話させていただきました。

自身に投げかけると非常に悩ましく、私自身も果たしてどこまでできているかは自信を持って言えるところではないですが、開発チームが限られた時間軸で役割を果たし、成果を上げる上では非常に重要な思考プロセスだと考えています。

イベント参加者のみなさんにお伝えしたかったこと

今回の登壇イベントは「組織成長に合わせて変化するプロダクトマネージャーの役割とは?」という副題がありました。
広義かつ抽象的で、各社手探りで進めていることも多いプロダクトマネージャーの仕事の悩みを共有し、各社に散らばった知を集合させる。そんな目的のもとに開かれた会でした。

"次に何を開発するか"を決めることはとても難しく、真にやりたいと思えることが考えを突き詰めると少なくなってくることや、ひとつひとつの案件を正しく評価できているのか、過大評価していないか、反対にポテンシャルを見逃していないか等、正解が見えない問いに苦しむことも多いです。

プロダクトマネージャーは、ユーザー様と直接対話する機会もあり、社内各部署のハブ的役割を担っていることも多いことから、情報を比較的たくさん持つことができる立場にあると思っています。
そんな立場だからこそ見えてくる景色の中で、できることを最大限に考え、悩んで決めていくしかないのかなと思っています。

各社PMのみなさん、日々悩みながら、良いプロダクトをつくるためにこれからもがんばっていきましょう。

終わりに

この内容が少しでもいいなと思われた方は、11月にも2つのイベントに参加する予定なので、お話を聞きに来てくださると嬉しいです。

開発PM勉強会vol.25

2023/11/21(火) 19:00~21:00(オンライン)
『ハード・物理サービスがあるソフトウェア開発PMトーク』

ハードウェアがあるサービスでのソフトウェアの企画・開発についてのパネルディスカッションを予定しています。
電動キックボードや電動アシスト自転車、さらにはポートという街じゅうに点在する空間を含めたプロダクトマネジメントについてもお話できるかもしれないです。

プロダクトマネージャーカンファレンス2023

2023/11/29(水)  ※登壇時間未定(オフライン・オンライン)
『事業のターニングポイントに向けて、開発ロードマップの策定と達成のためにPMがやったこと』

2023年7月に施行された改正道路交通法に関して、プロダクト開発チームが取り組んだこと、私自身がPMとして行ったことについてお話する予定です。

Luupは事業拡大のため、一緒に働く仲間をほぼ全ポジションで募集をしています

カジュアル面談など、今時点で選考に進む意向のない方ともお話させていただく場を用意していますので、プロダクトマネージャーの方は勿論のこと、ご興味がある方はどなたでもご連絡お待ちしております!

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