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集団から個、個から集団へ

鳥取でNPOを経営しているゲンヨウです。先月末に京都の京北に行って下記のイベントに防災軸でファシリテーターをしてきました。

1.平時のつながりが有事に活きる

そこで語られたのは、平時のつながりが有事の支えになる事。関係性なければ、「早めに逃げよう」とか「あそこのおじいさんは足が悪い」とかそういうことにはならないわけですね。ゆるい連携は大事。

中間支援的な動きを20年もやっていると、いろんな人にお会いさせていただきます。その時には何も繋がらなかったことが、ふと、良い動きになったり。10年越しでプロジェクトが生まれたりとそんなことを仕事をしながら感じる日々なので、つながりって大事だなと。

いざという時ほど、有事には発揮するなと思っていて、ピンチの時にいろいろ助けられているなと思いますし、平時に顔が見える方々だと有事の際には手を差し伸べたいと思ってしまう。そんな日々です。

2.個に向かって行った平成

僕は小学校4年で平成になった世代です。どちらかというと”個”を大事にする教育や社会情勢の中を走ってきたと思っています。進路選択も自分で決める、個人の決定を尊重する社会が進むことで、いろんな人の可能性も広がってきていると思っています。

一方で、”個”であることの大変さとか難しさとかも感じることもあります。僕自身は、個を尊重する社会に活かされている側だと思っていて、自分で決めたいし、人の評価はそこまで気にならないタイプ。そういう風に育ててもらったんだなと、親になってみてわかりました。

誰かと違う決断をすることの心理的ハードルとか、先が見えないことの不安、判断の責任の所在など。特に大学生とコミュニケーションをしていく中で、個であることの可能性と難しさの両面を感じてきました。

学校教育は、あまり個で動くことを想定していない(対応コストもかかってしまうので、限界があるから)。空気読むとか、型にはめるとかそういうカタチになってしまうし、多くの子にとっては、集団にあわせるようになってしまう。世の中の流れは個に向いていながら、周り見ろとか、評価軸が一つでそれにあわせるとか、集団になじむ育て方をしているので、大学に入って、個と集団の中での自己を定めるのが難しくなっちゃう。

結局、個に行く世の中は見えているので、個を軸に考えたときに集団に属さないという選択も増えていくんだろうなと思うのです。めんどくさいし、怖いから。

3.集団はお互いを補完することで個よりも生存可能性を高めてきた

そうなっていくと、個の方が良いんじゃないかと短期的には考えてしまうのですが、そもそも社会って相互補完をすることで生存可能性を高める仕組みだったんじゃないかなと。

医療や福祉も、公共サービスが担っているからこそだし、役場があるから諸手続きができたりする。収税してそれを再分配する機能があるから、一定の暮らしやすさが担保されているわけですね。これも集団の知恵だと思うんですね。そうなると、公共サービスをどんどん大きくすれば良いんじゃないと考えてしまうのですが、昨今の財政事情を考えれば、限界があるのはわかると思います。少子化対策を他の社会保障から出すみたいな話になっちゃう。

もちろん、財源論としてどこに何を当てていくのかについては、政治の問題として議論すべきだし、市民としても声をあげていくことは重要です。

僕は、第二の案を考えてしまうタイプなので、予算がつかなくても地域の暮らしを下げない、底上げしていくためにはどうしたら良いんだろうと考えたときに、平時のつながりを作っていくことじゃないかなと思うのです。

4.集団→個→集団へ

大学の卒論が農村の共有地の管理だったので、戦後すぐくらいまでの集団=農業であることが多く、生活を維持するための共同体だったと思います。風習として、その作業やルールは残りつつも、戦後復興や産業振興、高度経済成長、まちづくりなどの動き、そして個を中心とした考え方によって、少しずつ機能が解体されたり、もともとそういうものが無い状態でコミュニティが作られたり、公共機関がかわりに担うというという事で平成の時代までは走ってきたと思います。

経済成長が見られない中で、社会的な課題が確認され、個別にNPOなどの機能が生まれてきて、課題解決に向かっている部分もあります。

そこも含めて、新しい集団、コミュニティができることで生存可能性が高まっていくのかなと思います。ゆらぎはあると思いますが、誰かが最大値をねらうより、全体の極大値を狙っていく、そんな社会になっていく気がします。この時代に応じた、生きていくための共通項ってなんだろう。

5.ゆるい関係性をデザインする

時代に応じた共通項、ゆるい関係性をデザインしていくのがポイントになるのではないかと感じています。昨年から、不真面目商店という場に関わっているのですが、これは一つの可能性を示唆しているなと思っていまして、近所の人+テーマコミュニティみたいな感じ。挨拶ができる関係性、ふらっと寄れる場所、担える役割が少しある。そんなキーワードが詰まっています。

真ん中の記事は初代店長のみっちーが書いてくれたものですが、運営する側の視点もあって面白い。訪れた方にも感じるものがあったようで。今は、新しいメンバーが発信してくれています。

そんな場を増やす、増やし方を伝えていく感じが大事なのかなと。コーディネーター的な人が増えると良いと感じました。

つらつらと書きましたが、今日はここまで。


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