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のんきなジョナサンの冒険第22章の感想

第22章は、島の学校で行われた卒業式に遭遇した少年が、参加した保護者の女性から
この島の教育に関する話をきいた場面。


イベントでは、学生の前で島の議員が祝辞を述べていました。

女性は、「祝辞は子どもたちが学校で学んだ事と完全に矛盾する、、、。」と話す。

議員は、「人は自由意思や個人的な責任感によって、、、、。」と演説を始めましたが、

それを聞いた女性は、

「自由意思?学校は強制そのものじゃないの。子どもたちは学校に行けと強いられ、
全ての人が強制的に費用をはらわされてる、、
生徒は12年間静かに座らされ、
命令通りにされたあげく、
成績表とシールしかもらってない、、
教室の中では専制政治が行われてるわ。」
というものでした。

専制政治=支配者層が大多数の被支配者層の政治的関与を認めず恣意的に統治を行う政治体制。

議員が「私たちの声は人類の大合唱の中の小さな声にすぎない、、、私たちにとって最も高貴な美徳は犠牲です。他人のためや、自分より恵まれない人々のために払う犠牲は、、、」
と話すと、

女性が金切り声をあげはじめました。

少年にはさっぱりわかりません。
「学校では1番になれと尻を叩かれたのに、卒業の時になって他の人々のために自分を犠牲にするようにと説教されているわけですか?」

女性の言い分は、「この島での教育は、
各人が能力に応じて与えられる社会(社会主義社会)から、
各人が必要に応じて与えられる社会(共産主義社会)へ。
それが未来と議員は教えている。」
「来年からは採点方法を変えて、動機づけと褒美を利用して、点は成績でなく必要性という
観点から与えられるようになる。
最も成績の良い生徒は自己犠牲、
成績の悪い生徒は自信の美徳を教えるわけ。
いい先生は、辞めてしまうでしょう。先生にはまだ自由が残っているからね。」

(以上、原文より抜粋)


物語は会話形式で展開されており、大まかに会話の内容をまとめました。

この話の中で優秀な成績とは、自分の考えた答えではなくて、議員の望む答えを出した生徒。
教育は、自分が知りたいことを学ぶものではなくて、与えられたもののように見えました。
本を読んで日本に置き換えて義務教育について
考えてみました。

そもそも、義務教育ってなんでしょうか?

義務教育の目的、目標 文科省HPより

・国家・社会の形成者として共通に求められる最低限の基盤的な資質の育成
・国民の教育を受ける権利の最小限の社会的保障

よく考えたら、義務教育って義務だから
強制
なんですよね。実際にどのくらい負担が
あるのか調べてみました。

財務省のHPに書かれた
義務教育の9年間にかかる学費は、

小学校 約 5,850,000円
中学校 約 3,366,000円
          合計 約 9,216,000円

義務教育の9年間は
約921万円の税金がかかるようです。

では、年間約100万の税金がかかる学校の
子どもたちの評価はどうなのか?

文科省のデータをみると近年不登校は増加傾向にあります。

不登校のきっかけ
データを見る限り、総合的にみると、
なんで学校が嫌かはわからないけど
なんだか行きたくない、
身体的症状がでた
先生が嫌、勉強がわからないなどが理由


さらに詳しい不登校の理由の中では、家庭が過保護、過干渉、保護者の意識変化、子どものコミュニケーション能力、友人関係なども挙げられいます

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/108/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/10/06/1374858_2.pdf

本人や家庭に問題があるというものが理由と
してありますが、学校に対して起きることです。学校自体が問題とは考えられないでしょうか?

また不登校に対して、家庭が居心地がよく
学校に行かないという内容もありました。
自然に考えると学校が居心地が悪いから
家にいる
。とも思えます。

家庭が居心地がいいというのはむしろ良いことだと思います。

生徒は12年間静かに座らされ、、、
という箇所については、自分が浮かんだことは、前から気になっていた発達障害や多動性の
増加について。
子どもが大人しく長時間授業を聞いていられるのはなかなか難しいとおもうのだけど、、、。と思っています。

ADHDについての定義もあらためて確認しました。こちらもサイトをご紹介いたします。
子どもってそもそもじっとしていられないものだと思いませんか?

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/054/shiryo/attach/1361233.htm

教育に関して調べると、学校に対する問題が
かなり挙げられていました。
不登校、自殺、引きこもりの問題は、
新たに家庭庁が設立され、家庭への介入、新たな居場所作りと行政の介入は拡大しました。

そもそも、子ども1人に対して920万の税金がかかる義務教育の質はどうなの?と思うところです。


長々と書いてみましたが、
最後にこの本と、自分で調べた内容の感想をまとめると、子どもって大人が思うより自由がないと思います。学校は行かなきゃ行けないし、学区の規制もあるから選択肢は限られています。
行きたくない子どもは、不登校の子どもと
され問題とされてしまいます。
920万の税金がかかるのに。。。
問題はどっちなの??
というのが、1番の感想でした。

いつもお読みいただきありがとうございます。

ご興味持たれた方は、ケン・スクールランドさんの「のんきなジョナサンの冒険」ぜひ一度読んでみてください!

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