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無駄に長いタイトル死んだ

七草粥も食べ、なんとなく今年の正月も無事に終わった感じがある。このあとも鏡開きや成人式といった、スピンオフが残っているとはいえ、一区切りだと思う。

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周りにライターや広告関係者が多いせいか、どうしても文章術やら、ブログの書き方、SNSの活用方法あたりが、日々流れてくる。Google先生の方針に従って、短くなったり長くなったり、noteでバズらせる方法はといった、時代に応じての変化はあるものの、だいたい、みんな同じことを書いているし、大して書いていることが変わってない。

みんながみんな、自分が書いた文章をそんなにバズらせたいものなのだろうかと、疑問に思うこと多し。何も、世のすべての文章が、1人でも多くの人に読まれる必要なんてない。

ラブレターなんて、むしろ1人だけに届けばよい。ただしその“1人”が、届けたい相手であることが大切。つまりは「数」ではなく、届けたいと思う人に届いた「率」が大事。1億人に届けたい広告なら100万人に届いても1%だし、ラブレターなら意中の相手に届けば100%なのだ。

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僕自体は、ライターのはしくれなので、書いたものが広く読まれる“べき”立ち位置だろうけど、仕事でもない個人のブログが、広く読まれていいことなんて、そんなに無い。正直、もうどうでもよかったりする。

「自分語りをやめよう!」

“有名人でもない個人の自分語りに、他人は興味がない”といった意味のよくあるブログ術の一節だが、仕事でもないのに不特定多数に読ませる必要性がなく、そもそも興味を持ってもらえない相手に読んでもらえるという大前提がおかしい。広報ブログとかでない限り、そのまま自分らしく、大いに自分語りしてよい。PVなんてどうでもいいと思ってからが、本当の意味で良い文章なのだと思う。

とある女性ブロガーが「私のブログはPVがまったくありません! だから、シモネタ書き放題!」と話していたのを思い出す。個人的には、ひと目を気にしている文章よりも、書きなぐったチラシの裏のほうが、見てて楽しい。SNSが普及してからだろうか。みんな、ひと目ばかり気にするようになった気がして仕方ない。かくいう私もそうである。

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文章屋として仕事をしていると「タイトル」と格闘することは少なくない。特に編集や広報系の仕事をするときは絶対つきまとってくる。

短ければ短いほどよいなんて言われていて、WEB記事のタイトルだと20文字前後くらい、ベストは13文字程度などという。人が瞬間的に認識できる文字なんて2〜3ワード、9文字程度なので、昔よりもなおさら無数に流れてくる大量の記事から興味を持ってもらうために、必須の技である。

編集の仕事では、タイトルを最終段階で調整する。そのため、タイトルの文字数を削ることを当たり前のようにやるのだが、これがライターとして書くと、ついつい要素を多く含めてしまおうとして、困る。

【池袋】マツコも絶賛!? 18時間煮出しの濃厚とんこつ&こだわり国産小麦の中太麺が絶品!おひとり様もOKな斬新スタイル「麺屋note」

これで60文字超。どれも大事な要素だろうし、場所も店名も検索で引っ掛けたいし、SNSで流れた時に1人でも多くの人に届けたいのもわかる。でも、長すぎる。要素がまとまってないということは、それだけブレブレだとバラしているようなものである。そもそもぱっと見、何が大事かわからないので、結果としてどれも目に止まらず流れていってしまう。

麺屋noteが絶賛される理由

全角で14文字。単に読まれたいなら、これくらいで良い。

場所を入れないほうが下手に読み手のスクリーニングがされないし、18時間煮ていることの凄さは詳しくない人でなければわからないし、マツコ絶賛はそもそも書いて良いのか審議だし、麺の小麦に“こだわる”のはあたりまえだし、中太麺かどうかは写真みればわかるし、おひとりさまスタイルはなにも斬新でもない。

“でも”である。これはあくまでも、プロの文章としての話。前述した通り、個人の日記程度のブログに、こんな技術は要らない。多くの人に読まれるメリットなんて感じなくてよい。自己顕示欲は、テクニックで埋めるのではなく、もっと自分らしさの中からねじりだしたもので、解消したほうが結果よい。そうでなければ、満たされたはずの自己顕示欲が泡のように消えていく。自分は何者なんだろう、、、と。

では、自分らしさを見つけるにはどうしたら? まずは模倣からやるのが一番。つまりは、とりあえずそこらにある文章術とかを真似しまくるのだ。そうこうしているうちは「この文章術、前にも見たことがるな」などと思うようになってくる。その段階で、一度全部忘れて、無我夢中で書いたら良い。

ただ「バズらせ術」は別。時代によって変化するし、そんなもの気にするより、自分が感じたことを,同じ様に読み手も感じてもらうために、自分の文章を研いでいくことのほうが大切だと思う。この思い、伝わると良いな。

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