見出し画像

「和歌山むき」と その他諸々

 前回に続き、みかんの皮のむき方の話。予告していた通称「和歌山むき」というむき方、知ってます?アンケートでは最終的に、このむき方の人が1人いた。

 以前みかんを箱で買った際に一緒に入っていたチラシ(育てた農家さんの写真や、みかんの栄養などについて書いてあったもの)に、「農家さん直伝 簡単でおいしいむき方」というものが載っていた。(こういうのを捨てずにスキャンしてしまうのは栄養教諭あるあるだろうか。)

和歌山むき

 これが「和歌山むき」といわれるむき方。通常のむき方よりも早く、そしてきれいにむけるというこのむき方は、有田みかんで有名な和歌山県では一般的なものだとか。
 前回の結論としては「おしりからの方がむき始めやすく、一般的」「へたからむいた方が白いスジがきれいにとれる」としたが、この和歌山むきは、その両方を兼ね備えたむき方である。
 おしりの側からがばっと割り、みかんの果肉はヘタ側からはがし取るので白いスジもきれいにとれる。少しずつ皮をむいていくのではなく、割ってからはがすだけなので、爪や指先が汚れることもなさそうだ。なるほど、なかなか考えられたむき方である。

 私はこのむき方を大学時代に友達に教えてもらったのだが、個人的にはどうも好きになれず、へた側から放射状にむいていく。
 時々皮と一緒に果肉も割れてしまうことや、皮をむいた丸ごとのみかんの姿を拝んでから食べたいというのが、その理由。きっと気に入る人もいると思うので、初めて知ったという方は一度試してみてください。

まだまだこんなむき方も

 「和歌山むき」を教えてくれた大学時代の友達(横井くん)は、これまたみかんの名産地、静岡県三ヶ日町の出身。彼には彼なりのこだわりがあるらしく、へた側から「らせん状」にむいていた。再現するとこう。

らせん状

 理由を聞くと「むき始めからむき終わりまでひといきでむけて、これが一番気持ちがいいから」とのこと。確かに、他のむき方では手順がいくつかに分かれたり、むき始める部分が複数になったりするが、これは気持ちいいかもしれない。むいた皮はS字になり、きれいにむけるとさらに気持ちいい。他のむき方に比べ少し技術がいる。

 最後に紹介するのは「いもむしむき(いもむしみかん)」です。へたとおしりをそれぞれ丸くむきとり、一か所に切れ目を入れ、べろんと開く方法だ。

いもむしみかん

 むいた皮をお皿にしつつ、1つずつはがして食べられるのが、このむき方の利点。一度やってみたら娘が気に入って、一時期ハマっていたが、面倒で最近はやっていない。
 やはり、何事も簡単か面倒くさいかは重要な判断材料である。

 みなさんも、どうぞ自分に合ったこだわりのむき方を見つけてください。

おまけ

【前回のアンケートのコメント欄より】
 お婆ちゃんはよくやってますが、薄皮は残す人って最近見ませんけど、皆んな食べるようになったんですかね。


 私の祖母も残していたが、確かに最近はあまり見かけない。
 もしかしたら、品種改良の結果、昔よりも薄皮が薄くなり食べる際に気にならなくなった、とか?それか、単純に一度口の中に入れたものを取り出すのが行儀悪いという認識が広まったとか? やってる人います?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?