ハッピーメールやったら、猪に恐喝された

なんでも体験してみないと小説は真に迫ったものが書けない、と思い、ハッピーメールという出会い系アプリを入れて、やってみた。

で、超絶美人の写真の女性が、愛人志願で応募してきた。

ハッピーメールでのチャットだと、一メッセージごとに課金されるので、ラインに移動して、会話することにした。

で、会うことになった。池袋北口のレンタルショップのゲオの前で。

やってきたのは、全くの別人、というか、別の生物で猪のような女性だった。姿、形、全くの別物で、はじめから、こちらをにらみつけて歩いてきた。

向こうが言う。「こんちわー、はい、しおりです。」

「え、別人ですよね。」

「いや、本人ですよ。あー、ごめん、今日、すっぴんなんだ。」

「いや、すっぴんはだめだよ。」

「はあ。なんだよ。本人なんだからいいだろ。」

「本人じゃないだろーよ。」

「ほら、写真と違うじゃないかよ。」

「なんだよ、プロフィールのスクリーンショットとっていたのかよ。」

「じゃ、帰るわ」

「はあ、じゃ、キャンセル料ね」

「なに、キャンセル料って、自由恋愛で会っているんじゃないの? なにかの団体でやっているの?」

「あ、いや、そんなこと、どうでもいいだろ。とにかく、いままで、わたし、三回あったことあるけど、キャンセルされたことないんで。金払えよ。」

「何言ってんの」

パシャ

「いま、俺の写真撮ったよね。」

「え、いいや。撮ってないよ」

つづく


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