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【紅麹問題から学ぶ教訓】日経新聞ピックアップ#31 24/3/27

小林製薬「紅麹」に意図せぬ成分:日本経済新聞

世間を騒がせている悪玉コレステロールを下げるサプリメントだが、原料の紅麹は腎疾患を引き起こす原因物質を生成する能力を持たないとのこと。サプリを摂取した人が死亡したと公表されて数日経つが未だに「意図しない成分」の特定には至っていない。

被害が報告される製造期間が限定されることから、記事中の指摘にもあるとおり紅麹以外の細菌、カビなどから有害物質が発生したと考える方が適当だろう。


紅麹が原料の食品は古くから人々の食生活に密着しており、一般的なサプライチェーンで管理されていれば問題ないはずだ。自然由来の着色料として多くの食品に含まれるので、もし紅麹を含む食品を避ける生活をするなら食べられるものは相当限られるだろう。
製造元企業からも該当するサプリメント以外では健康被害の恐れはないと見解が出されている。

国内のサプリメント市場はコロナ禍を経て健康志向が高まったことで21年に市場規模が初めて1兆円を越えた。23年こそコロナ戻りで微増であったが今後も拡大していくと予想されていた。そんな中で機能性表示食品の一斉点検が入ることになり、この流れにはブレーキがかかりそうだ。

そもそも問題のサプリメントを服用していた人は、健康が害されていると気付いていたのか。これまでの報告から急激に腎疾患が進行するわけではなさそうだが、体調に異変を感じたら服用を止める対処はできなかったのか。

最近のヘルスケア業界は、血圧や体脂肪率など数字でしか健康を測れなくなっている。薬効を鵜呑みにしてサプリに手を出してしまうのも、目に見えるものでしか物事を評価できないからだろう。

こういう人はまず自分の体を看る力を養うべきだ。排便の様子や味の感じ方、肌の調子など体調のバロメーターはいくつもあるが、これは往々にして摂食行動にヒモ付いている。日々の食生活がどのように体調に作用しているのか考えながら暮らすことで、生活習慣に起因する疾患は防げる。サプリメントはあくまで栄養成分を補う役割にすぎない。

サプリメントの服用により健康寿命を伸ばせると期待はあるが、過度に頼りすぎると自身の健康を測るすべを失うかもしれない。

何事もほどほどにが大切

e-karas

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