【カニ食文化を未来へつなげ】日経新聞ピックアップ#39 24/4/7

ズワイガニ漁獲、北陸で回復進む:日本経済新聞

昨日のマーケット商品欄では日本海のズワイガニの資源回復が北陸を中心に進んでいると記事が掲載された。資源回復が進み、漁獲量が増えれば平均単価が下がり消費者の手に届きやすくなるとのことだ。

背景には漁業者全体で資源管理を行ってきた経緯がある。

ズワイガニなど海底に生息する底生生物は、アジやサンマなどの回遊性の魚類よりも生息環境の変化や漁獲による個体数の減少の影響を受けやすいとされている。漁場の多少の移り変わりはあるが、漁獲量の制限が資源回復に寄与しやすいと考えられる。

ただ、記事の最後にもある通り、漁獲量をむやみに増やすのではなく引き続き資源管理の対応は必要となる。

将来世代にもカニ食文化を伝えていくためには、食のメリハリ化を進める必要がある。
すでに欧米の肉食文化には取り入れられつつあるが、牛肉など高級なお肉は記念日などハレの日に、鶏肉など比較的低コストなお肉はちょっと贅沢な日に、大豆タンパクや培養肉など代替肉は普段の食事にと、喫食シーンに合わせて食材を選択する様式だ。

カニの代替品といえばカニカマが思い付くだろう。
カニカマはタイやタラなど白身魚のすり身が原料で、カニの風味や見た目を模した蒲鉾である。近年、カニカマの市場規模はヨーロッパ、アジア圏を中心に拡大を続けている。
また日本ではよりカニ足の見た目や食感に近いものや、食べごたえに満足感を与えるような大きいサイズのものも登場している。

ホンモノのカニを将来世代にも味わってもらうために、喫食シーンに合わせて代替品を選択肢に加えることで、過度な乱獲をしなくてもカニ食の需要に耐えられるようになるのが望ましい。

漁業者など供給サイドだけでなく消費サイドからも資源管理に貢献できると良いのではないだろうか。

e-karas

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