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【恐竜はコンテンツとして強いのか】日経新聞ピックアップ#26 24/3/22

恐竜に賭ける福井(下):日本経済新聞

北陸新幹線の延伸で沸き立つ福井だが、駅前のオブジェでも知られる「恐竜」を広告塔として観光客を呼び寄せる。日本の恐竜化石のほとんどは福井で見つかるなど恐竜に縁のあることから、恐竜博物館を中心に観光の要所として地位を築いた。

恐竜は強さとロマンの象徴として人々をひきつける。

体長は現代で見られる大型哺乳類をはるかに越え、鋭く巨大な牙や爪、硬い装甲からは武装兵器を窺わせ、強者の象徴としては申し分ない。強者としてのイメージ戦略として利用すれば多くの人々から人気と信頼を得ることができ、経済的効果を生み出す場合もあるだろう。

人々が古代のロマンを追い求めるのは、人間があらゆる物事に意味を見出そうとする本能を持っているからだろう。星の光を結びつけ星座を描いたのもこの本能によるのではないか。人間はどうして生まれたのか、自分の存在にも意味を見出だそうとする。過去をたどり生命の歴史や土地の成り立ちを知ることは、自分の存在を肯定しその意味を見出だすことにつながる。ロマンとは自分の存在を意味付ける物語とも言える。

人間の文化的営みには、自然をモチーフにした物語や偶像があしらわれることが多い。これには古代生物を描いたものもある。恐竜の真の姿に近づけば、モチーフとしての解像度が上がり文化的営みはより深く広く豊かになるだろう。

人間を人間たらしめるのは、人間以外の生物であることを忘れてはいけない。恐竜コンテンツはこれを気付かせるにはうってつけだろう。

恐竜学部絶対おもしろい。

e-karas


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