【SDGsの本質を語りたい】日経新聞ピックアップ#37 24/4/4

満足重視の「エゴノミー」やめよ:日本経済新聞

本日のオピニオンにジャック·アタリのコラムが掲載されたので紹介したい。

筆者は、「世界の多くの地域で、地政学、環境、金融、道徳、文明に関する危機が迫っており、多くの問題の中でも優先すべき課題は気候変動。なぜなら気候変動への取り組みは、他の問題の解決策にもなるから」と指摘する。

これはSDGsの本質を見事についている。

日本ではいつの間にか食品ロス問題にすり変わってしまい世界に醜態を晒すハメになったで有名なSDGsさんだが、本来は人類が抱える幾多の課題に世界全体で包括的に取り組むことで解決への道のりを探ろうと定めた目標だったはずだ。
一つ一つの課題は相互関係にあり、資源の枯渇が国同士の戦争や、内戦を引き起こし、長期化すれば市民の貧困や食料不足につながる。一つの課題の状況が変わると連鎖的に他の課題へと波及していく。
とりわけ気候変動問題は波及する範囲が広く、気候変動問題が改善すれば多くの課題に好影響をもたらす。

また筆者は、「消費者の一人ひとりが目先の満足だけを重視する「エゴノミー」から脱却する」ことを期待している。また「将来世代に資する消費へと移行できる」ように国際的な政治決断の重要性を訴えている。

これは倫理観に関する言及だが、将来的世代のために浪費を抑えることに(自分に利益はまったくないのに)100%で賛成する人がはたしてどれだけいるのか…

利他のフィールドに足を踏み入れる形になるが、利他に未来軸のベクトルを加えたとき募金やお手伝いなど比べてどうしても利己に負けてしまう。このあたりは別に考察の機会が来ることを願う。

ジャック·アタリに目がない。

e-karas

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