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豪雪の山里から ~ 野山のめぐみをいただこう

こんにちは。ようこそ

ふくやまは山に囲まれた集落
昔からの人たちは、春になると山へ行きたくて、うずうずしてくるみたい
春の山は、なんたって山菜の宝庫ですから

春一番に出てくる山菜は、ふきのとう
道路端の雪が解けてくると、その下からふきのとうが顔を出します
これを天ぷらや蕗味噌にして食べると
ながい冬があけてやっと春が来たと実感します

そして更に雪解けが進んで5月に入ると、本格的な山菜シーズンが到来

お年寄りは、うす暗いうちから軽トラに乗り合わせて出発し、残雪の山を歩いて自分のお気に入りスポットへと向かっていきます(雪が消えると険しくて行けなくなるところへも残雪期だから入っていけるのです)
そして2時間もすると、つまぶくろという古くからある着物(腰回りに山菜をつめ込める。両手が空くので便利)を、ぜんまいやウルイ、山ウド、コゴミなど多くの山菜でパンパンにして、喜色満面で戻ってきます
山菜採りでは、四つんばいで枝につかまらないと滑り落ちるほどの濡れた急斜面を行くから、お年寄りはもう来年はできないだろうと毎年のように言いますが、春が来ると行きたくって我慢できなくなるみたいです
そして、ここらの山菜は、市内の他所と比べてもひときわ瑞々しくエグ味もないと自慢気に言います。山の上で水がきれいだからでしょうか

炭焼き、薪、木の実、キノコもそうですが、ここの人たちは今でも昔と変わらず山の恵みの中で暮らしているのだなぁと実感する季節です

そんなふくやまの衆も、家の周りに生えてくる雑草には容赦ありません(笑)
刈り払い機で刈ったり、抜き取ったり、除草剤蒔いたりと、とにかく目の敵にします

それだけ頑張っても、空き地にはびこるのは、スギナ(ツクシの一部)です
いくら刈っても引っこ抜いても、土中に残った小さな根の切れ端から再生して、地下茎で広がって増え続ける、超しぶとい草です
そんなスギナ自体は、雪の季節以外はずっと生えていますが
なんと言っても春先は、見るからに瑞々しくて、上へ上へと延びる姿は
本当に生命力にあふれて美しいのです
そんな光景を初めて目にした時に、スギナを退治するだけじゃもったいない
そのパワーを生かせないものかな?と思ってしまったのが、「野草茶作り」を始めたきっかけです

調べてみると、スギナは東洋医学では「問荊(もんけい)」と呼ばれ
利尿作用やデトックス作用などが期待できる、れっきとした漢方
昔から使われている薬草だと知りました
そこで試しに、集落のはずれで除草剤などの心配がないスギナを
採取してきて天日に乾してお茶にしてみると
飲み口は意外にマイルドで、新しい畳のような爽やかな香りがしました

そこからは、農作業の合間に、ふくやまの野山にどんな薬草があるのかを捜す日々が始まりました
人づてに教えてもらったり、まとまって生えている草をみては名前を調べてみたり、草刈り中に香りが気になった草を調べてみたりと

この、水も空気も汚れのないへき地だからこそ
その辺に生えている草が、貴重な資源になるのかもしれないです

その後、毎年のように新たな薬草をみつけては、お茶にできないかとレパートリーを増やしていったら、今では14種類!

・スギナ(問荊:もんけい)
・ヨモギ(蓬)
・アカツメクサ
・柿の葉
・クマザサ
・クロモジ(黒文字)
・ドクダミ(十薬)
・カキドオシ(連銭草:れんせんそう)
・イチョウ葉
・桑の葉
・ツユクサ(鴨跖草:おうせきそう)
・イチジク葉(無花果葉:むかかよう)
・ゲンノショウコ(現の証拠、医者いらず)
・ミゾソバ(牛の額)

ゆくゆくは美味しくて山のエネルギーをいっぱいに含んだ「ふくやま野草オリジナルブレンド茶」が作れたら良いなぁ
なんて夢物語かな…

ではでは


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