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豪雪の山里から ~ 田舎の暮らしは退屈の極み? Boring, boring, boring...

こんにちは。ようこそ

今日は、田舎は退屈でつまらない?っていう話


若い人に言わせると田舎は、何もなくて退屈でつまらない処らしい

先日、都会からUターンしてきた集落の女性とお話ししてたら
「中学んときはここの暮らしが本当に嫌だった
苦痛なばっかりで、ここには夢なんてないと思ってた」
と言われました

思春期だったからかもしれないけれど
故郷をこんな風に思ってしまうなんてちょっと悲しい…

まあ、この話は、まだ道路の除雪がされてない時代の話です
その当時の中学生は、冬の間、平日は下の町の寮に住みこんで通学し
週末になると、自分たちの足で積雪した峠道を7キロくらい歩いて
自宅に戻るという生活だったそうで
とにかくその雪中行軍がツラすぎて…
ということだったようです

そんな過酷な話を聞けば、思春期の中学生が「ここに夢はない」なんて
思ってしまっても仕方がないかも

その時代、家庭にはTVが普及し
それまでは知ることもできなかった都会の華やかな暮らしを
若い人が目にすれば
自分が住んでいる山ん中の集落が
いかにも狭くて時代に遅れた世界のように
映ってしまうのも致し方ないでしょう

実際、都会なら人気のお店が数えきれないほどあって
買い物、飲食、ゲームなど夜通し楽しめるし
人気の遊園地、コンサートやスポーツイベントも気軽に行ける
あらゆる情報は次々に更新されて、
常に飽きさせることのない「変化しつづける世界」です

若い頃は、とにかく新しいものに触れたいお年頃
そりゃもう、田舎が束になってかかっても敵うわけはありません

ネット社会となった今では、どんな片田舎に住んでても
最新情報にアクセスし、世界中の人ともリアルタイムに
つながれるから問題ないという意見もあるけれど、
やっぱり現実に都会に身をおいて肌で感じるのと、
ネットを介してでは違います

むしろ今は、皆がそれぞれ興味のある情報を得やすくなって
情報の発信源でもある都会への引力が増したとも言えます
(若いうちに外の世界に身をおくのは悪くないと思いますが)

だから地方都市で、よく東京で流行った施設やイベントなどをマネてみたりするけれど、それは東京の価値を焼き直した縮小版としか見られず、その土地の魅力発見となるどころか「やっぱり東京が良いよね」となりがち

でも自分が50歳を過ぎて、実際にこの山里に暮らしてみると…

大昔から変わらず繰り返されている、季節ごとに巡ってくる景色の移ろいや
そこに住み続ける人々がみせる、先人から脈々と伝えられてきた山に暮らす知恵や経験など
それらはとても素敵で、魅力的で価値あるものとして、大いに刺激を受けました
そんな都会暮らしでは味わえない「変わらぬ魅力」が田舎にはあります
そう、都会の価値とは違う、その土地ならではの価値です

田舎の価値と言えば、同じく「独りの静かな時間」というのも
この地ならではの魅力の一つだと思います

常にザワザワと他の人の生活ノイズや乗り物の音が聞こえる都会暮らし
どこへ行っても人があふれ、音楽が流れて気分を盛り上げようとしてくる「都会的な賑わい」とは真逆の世界があります

普段聞こえてくるのは鳥の声や風の音、水の流れる音
逆に冬ともなれば音は雪壁に吸収されて「無音」です
まさしく尾崎放哉の俳句のごとく”咳をしても一人”の世界

それを寂しいとか退屈ととるか
心地よいととるかは、その人の感受性にもよるでしょう

自分も若い頃なら
もっとにぎやかな場所(居酒屋とか)で友人たちと
楽しく騒いでいたかったでしょうが
年齢とともに一人でいる楽しみというか
居心地の良さみたいなのが
自然と身に馴染んできたように思います
例えるならベテランのソロキャンパーみたいなものでしょうか


とはいえ、よほど好きでなければ
こういう変化の少ない暮らしは、2-3年もすれば
マンネリと感じて飽きはじめ
都会暮らしが恋しくなってしまうのが世の常です

では、田舎でも退屈にならず
ながく暮らしを楽しんでいるベテラン移住者は何が違うのでしょうか?

それは「何か一つ、やりたいことがあるかどうか」だけかも

例えば、移住相談のイベントで、移住希望の人と話をしていると、
何かやりたいことのイメージや方向性があって、それを実現するのに田舎を求めてる人と
都会暮らしに行き詰まったからと、漠然と田舎でのんびり悠々自適の暮らしをしたい人
の大きく2つに分かれるように思います

で、前者のケースはわりと放っておいても心配はないのですが
後者は見ていると
最初のうちは初めて見るもの聞くものも多くて
刺激もあって幸せそうにしてますが
その後も何か目的を持つでもなく、のんびり過ごすだけだと
そのうちに新たにやることも無くて暇を持て余します
そうなると、思ってたのと違う、あれが足りないと、
気づけば不満は募るばかり
あげく、やっぱりここは違ったと他所へ移ることにもなりかねません
まぁ一概には言えませんが、ありがちな話です

たぶん仕事でも趣味でも、何か一つでもやりたいことがあって、それが満たされていれば退屈はしないし、他のいざこざも大した問題ではないと軽く片づけられると思うのですが

そういう自分も、移住前にはっきりと目的が定まっていた訳ではないので
こんな偉そうなこと言えないのですが
結果的に今もこの山里に暮らしているのは
農業との出会いがあったからだと思っています

人生で初めて本格的にとりくむ農業は
やることなすこと初めて尽くしで刺激的なだけでなく
計算どおりにいかないことばかりだから
簡単に飽きてしまうこともなく今も続けられています

だから、これから田舎暮らしを考えている人は、
「のんびり暮らしたい」ってだけでなく、
あんなことやりたい、こんなこと始めてみたい
などと、できるだけ具体的に夢みることをお勧めします


ちょっと講釈が過ぎました
あくまで私見です
ではでは



















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