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豪雪の山里から ~ 道を踏み外してみるのも悪くない

こんにちは。ようこそ

さて、移住して大きく変わったことの一つに
会社員から個人事業主への転換があります

今も記憶に残るのは、若い頃に飲み会で会った個人の漁師さん
とてもフランクな人柄だけど、自分と同年代なのにずいぶん地に足がついた印象を受けました
それは、仕事のできる会社員のキチっとした感じとも違って、ちゃんと独り立ちしている感です
危険と隣り合わせで、甘えの効かない仕事をしているからなのか?
家族を養うために自分の手で稼いでいるからなのか?
分からないけれど…
むやみに自分を大きく見せようとする訳でもなく、何か自然と醸し出される自信というか、一本芯が通っている感じが魅力的でした(いわゆる「一国一城の主」みたいな)
毎日会社に通えば、安定的にサラリーが支給される自分には無い感覚で、それ以来、何となく個人で仕事をする人へ、少し憧れみたいな感情を抱いていました

それから数十年
自分も脱サラして、会社組織から離脱、個人事業主になりました
最初の3年間は、協力隊として自治体から給与が出ていたので、個人事業主を意識したのは確定申告の時くらいだったけれど、それも任期が終わって給与も貰えなくなると、世界は一変しました

やるもやらないもすべてが自己責任
誰からも指示はなくて自由だけれど、逆に自分が決断して動かなければ何も進まない
失敗しても誰かのせいにすることもできないし、飲んで愚痴る相手もいない(笑)
名刺も無くなって、所属する組織も肩書も何もない、ただの人になったんだな~と実感するようになりました

それで自分自身が、くだんの漁師さんみたく、いきなり芯の通った強い人間に変わることはなく
農業でひと花咲かせてやる!ってな気合がみなぎるわけでもありません
まあそこそこな感じで暮らす、言ってしまえば相変わらずの甘ちゃんのままです
結局、会社員だろうが個人事業主だろうが関係なく、自分と言う人間はそんなものなんだということを思い知りました

いざ会社を辞めてみて、組織というのはとても煩わしいものではあるけれど、自分みたいな半端な人間でも守られていたんだなと感じるようになりました
だからって戻りたいとも思わないけれど(笑)
給与の額や肩書というものは、当時はくだらないと思っていましたが、ある意味、周りからみた自分の価値の指標でもあり、それを自分自身が把握できるのは、安心材料でもあったんだと思えます
何の後ろ盾もない今のような立場になってみると、自分の価値って何なのか時々分からなくなります
強いて言えば、お米やお茶を買ってくれたお客さんからの感想が、今の唯一の自分の評価尺度かもしれないです(売上げはとるに足らない額だし…)
たったそれだけ、でも心の支えになるし、生きるモチベーションにもつながりますから、それで十分なのかもしれません

会社員と個人事業主、どちらが良いかなんて一概には言えないけれど、自分の場合は、定年までずっと会社員でいるよりは、まったく違う暮らしもできて、少しは味わいのある人生になって良かったなぁと思っています
給与も肩書も捨ててバカじゃないのって言う人もいるだろうけれど、人は人、自分は自分ですから
たった一度の人生、はみ出してみるのも悪くないと思います

ちなみに、会社という組織を抜けて、田舎に来れば来たで、避けて通れない地域の組織があります(関わりを最小限にする人もいるけど)
それも嫌なら、人里離れた山奥か無人島で自給自足の暮らしをするしかないかも。もっと濃密な人生がおくれそうですね

ではでは











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