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『ソラリス』と『伝奇集』と映画『インターステラー』の感想

こちらの記事は、以前Twitterに上げた読了ツイートを再掲載し、ちょっとだけ加筆したものです


(2023年6月2日)

『ソラリス』
スタニスワフ・レム作 沼野充義◎訳

難解さに読み進められるか不安だったにも関わらず
ソラリスのふたつの太陽と『海』が傍にあるような、物寂しくも優しい語り口の訳文がとても魅力的で、ゆっくりと読めてしまった不思議な心地がしています
ソラリスは赤い太陽と青い太陽が交互に昇るという情景がとにかく美しく、この目で見てみたいと思いました
ソラリスステーション内での『来訪者』にメンタルがやられまくった面々の憔悴した描写もたまらん良さがありました
未知の惑星ソラリスは、物語のはじまりの時点で既に、様々な研究がされ『ソラリス学』という体系もあるが、すでに研究は行き詰まっており予算配分も削減されている…という状況に萌えます
訳者の沼野充義氏の巻末の解説文もめちゃくちゃ面白かったです
作者のスタニスワフ・レム氏は『ソラリス』の2つの映画化に対して大いに不満があったとか
かつてロシア国内での出版の際には、削除されたテキストが多くあったとか
当時の旧ソ内での文壇でのSF界において『ソラリス』の持つメッセージが”異端”であった理由などなど…
萌えのこころを刺激される名著、傑作でした!

(2023年6月3日)

副読本 100分de名著

読了ツイートを上げた『ソラリス』ですが
きっと凄く難しいのだろうと尻込みしていたので、『100分de名著』での『ソラリス』のテキストを分かんなかった時用に用意していました
結果として自分の分かる範囲で読めた後、すぐに訳者の沼野充義氏による『ソラリス』解説を読めたので、大変良かったです
この『ソラリス』だけでなく、スタニスワフ・レム氏の人物像に迫る解説や、沼田氏によるレム氏へのインタビュー記事まで掲載されており、盛り沢山で楽しめました
「わからなさを引き受ける」って表紙に書かれているので、沼田氏によるソラリスの分からなさを引き受けて解説するよ! という冊子だとうっかり思っていましたが
『ソラリス』という作品は、わからないことを受け止めて傍にありつづけることを謳っている作品なんだよって教えてくれてる冊子なんだということなんですね
でも、沼田氏によるソラリスの分からなさを引き受けるよ! でも間違いない分かりやすさと面白さがありました!

(2023年6月1日)

『伝奇集』J.L.ボルヘス作 鼓 直訳


自分には難しい作品でした
用いられている用語や人名に馴染みがなく、どうにかこうにか描かれている情景を想像してみるとすごく映像化向きの作品なのでは? と感じる、華やかさと猥雑さが素敵な作品だと(あくまで自分の解る範囲で)思いました
先日読み終えた『あなたの人生の物語』にはバビロンの塔が出てきましたが
こちらにはバベルの図書館という、とびきり魅力的な場所が出てきます
映画の『インターステラー』のシーンも思い出す場所で、よ、良かった…自分にもいくぶんか解るネタがあった…と、そこはちょっと安心しました

(2023年4月20日)

映画 『インターステラー』

『2001年宇宙の旅』をみた時に、この映画を観てる人はこれも観てます、とアマプラさんに紹介してもらったので観ました
宇宙飛行士ものの傑作だと知ってはいたのですが、なかなか観れてなかったので良かったです
あまりに高度な宇宙の話って、凄く詩的で叙情的ですね
父親と子供の話ですので、そのへんも刺さりましたが
約2名ほどいたクソ野郎がマジでクソだったので、もうちょい報いを受けるべきでは? というのが凄く気になったところです
でも、クソ野郎の彼らが可哀想と言えば可哀想なので、地球でのうのうと暮らせてる人間がクソとか言うのは良くないか…と考え直しました

こちらの画像はネタバレ感想(というかラクガキ)です
『アラジン』と『ドクター・ストレンジ』の一部内容も書いてあります

人間を慕ってくれる無機物が好きです


(最後に名画紹介)

『ラザロの蘇生』
レンブラント・ファン・レイン

『インターステラー』でのラザロ計画の名前の元ネタはこの人だったみたいです
復活した人というよりは(生き返らされてしまった人)に見える…
この棺桶とあの映画のコールドスリープ機が似てる気もします

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